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銀ノ魂篇/ゾンビ ページ6

『狛神だと……!?』


回復した通信機を使ってトシが近藤さんに現状の報告をすると、案の定そんな驚きの声が向こうから聞こえた。

そりゃそうだ、定春が狛神だなんてすぐには信じられないだろう。


「ああ。とっつぁんの話じゃ、今江戸がギリギリもってんなそのオカルトじみたうさん臭ェ連中のおかげらしい」


やっぱトシもオカルトじみてるって思ってたんだ。


「だが長くはもたねェ。奴等が龍脈の暴走を食い止める間に、ターミナル地下にある門を占拠し龍脈を操る連中を潰さねば」

『……解った。こっちも使える奴かき集めてすぐ向かう』


トシが眉根を寄せた。
私も同感だ。

こっちは結構被害を受けてる。動ける人も多くはない。なのに近藤さんの方は大丈夫なんだろうか。


「いけるのか」

『いかなきゃなるめェ。人間様に呆れて犬コロまで立ち上がったとあっちゃ、人間(オレたち)も、4本足ではいつくばっても立ち上がらなきゃよ』

「……フン。人間(ひと)が獣に還ったか、獣が人間(ひと)に成ったか。いや、文明なんぞ吹き飛んじまった今じゃ、そこに境などもうねェのかもしれねェ」


近藤さんとの通話が終わって、トシが私に目を向ける。「はーい」と返事をして、手を鳴らした。

もう何も言わずに皆動く。動ける人は集まって、少人数だけ怪我人の看病に残る。


「よっしゃ、動ける人はターミナルへレッツゴ……ん?」


唐突に嫌な予感がした。

瓦礫を押し除けてボロボロの連中が出てきて、背筋にゾワリと悪寒が走る。まるでゾンビみたいだと思った。
死に損ないの奈落である。


「龍脈の暴走が抑えられるのは想定済みかよ」


総悟が表情を凍りつかせながら言う。


「とっくに根回し済みか……流石先生の別人格」


相手は不死身のゾンビの群れ、対するこっちはボロボロの人間。数は圧倒的に向こうの勝ち。

さて……。

銀ノ魂篇/幕開け→←銀ノ魂篇/黄龍の巫女と狛神



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りら(プロフ) - わざわざお返事ありがとうございます!了解しました!楽しみに待ってます!!! (2021年2月13日 12時) (レス) id: da907c3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - りらさん» すみません! 1話を書き次第こちらで公開させていただきます。 (2021年2月13日 12時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
りら(プロフ) - 初めまして!主さんの投稿楽しく読ませて頂いています。唐突で申し訳ないのですが、次作の「夏の夜は」のパスワードを教えて頂きたいのですが宜しいでしょうか…? (2021年2月13日 10時) (レス) id: da907c3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
- ゆずさん» 失礼いたしました! (2021年2月2日 16時) (レス) id: 138fff996e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 「月影」でも間違いではないと考え、そのままになっています。 (2021年2月1日 18時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2021年1月21日 18時

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