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銀ノ魂篇/人間といういきもの ページ20

そう。私のしっている人間なら、もう終わっていたはずだ。
怯え、諦め、絶望し、全てはもう終わっていたはずだ。

彼等は、何だ。
この感情は、何だ。



虚が刀を持つ手は震え、彼の顔色は蒼白だった。


「あなたの言う通り、人間は愚かで臆病で、残忍な生物(いきもの)。でも1つ忘れてる」


手をついて、膝をついて、木刀をついて。
彼等は立ち上がる。もうボロボロなのに、何かに抗う様に。


「人間は、己の弱さと戦える生物(いきもの)


銀時は、新八は、神楽は、虚を見据えた。


「ここに、お前のしる弱い生物(いきもの)はいねェよ」


虚は蒼白なままの顔色で一歩踏み込む。銀時に向け、刀を抜いた。


「人間を恐れる生物(いきもの)よ」


恐れる? 私が……人間を……。

いや違う。解らないのだ。
人を呪っていた(わたし)から、吉田松陽という人を愛するもう1人の人格(わたし)を生ませた人間が。
ゆえに私に敗れ、全てを失った人間が……。

何故だ。お前はもう立てぬはず。とうの昔に朽ちたはず。

なのに、何故。



虚の真剣と、銀時の木刀がぶつかった。


まだ、そこに立っている。


「ああ、もう……こんな力持ってたなら早く言ってよね、太陽」


そのソプラノに銀時が一瞬だけ目を向ける。その隙を見て虚が振った真剣は、別の真剣で受け止められた。

満月の様な黄色い瞳が1つ、それまでに受けた傷の痛みをまるで感じないかの様に綺麗に笑っていた。

銀ノ魂篇/不滅と→←銀ノ魂篇/人類が美しいと証明してみせようか



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りら(プロフ) - わざわざお返事ありがとうございます!了解しました!楽しみに待ってます!!! (2021年2月13日 12時) (レス) id: da907c3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - りらさん» すみません! 1話を書き次第こちらで公開させていただきます。 (2021年2月13日 12時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
りら(プロフ) - 初めまして!主さんの投稿楽しく読ませて頂いています。唐突で申し訳ないのですが、次作の「夏の夜は」のパスワードを教えて頂きたいのですが宜しいでしょうか…? (2021年2月13日 10時) (レス) id: da907c3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
- ゆずさん» 失礼いたしました! (2021年2月2日 16時) (レス) id: 138fff996e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 「月影」でも間違いではないと考え、そのままになっています。 (2021年2月1日 18時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2021年1月21日 18時

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