銀ノ魂篇／命の灯 ページ18
銀時は地面に倒れながら、グッと拳を握った。
家に帰れば定春が玄関でおかえりと鳴いてくれる、そんな当たり前だった日常がもう遠い昔の事に思える。
「定…………春……」
「わん」
銀時が彼の名前を呼んだ時、確かにそう鳴き声がした。
その声を追って目線を上に向けて、そうして目を瞠る。
龍穴から昇る龍脈の中に、半透明の小さな定春が居た。彼が力を出したのか、龍穴に明らかな異変が見える。
何でだ、と虚は思った。定春は確かに１度死んだ筈なのに、と。
半霊体だ。肉体の大半を失いながら、なお験力をもって浮世に存在を留めている。
問題は、どこからそんな力が来ているのかという事。
その時、夜空に大きな五芒星が出来た。
力が、ここに集まっている。
「やれやれ。私達の住んでいる星がこんなに暴れん坊だったとはしらなかったよ。一体どれだけ生贄をささげればおとなしくなるんだい」
「少ナクトモ、犬畜生ヤ三馬鹿デハ返品クライソウデース」
「そうね……ならいっそ」
虚は見開いたままの目で辺りを見回した。
淡く光を放つ人間達が、沢山そこには居た。
「気の済むまでたいらげてもらおうじゃない。ここにある命、全て食らい尽くせるのなら」
お妙、お登勢、キャサリン。銭形にハジに鉄子に狂死郎に……かぶき町の住人が、馴染みのある彼等が、皆居る。
「てめーら！！」と、銀時が驚きの声を上げた。
「……龍脈を止めるため民草の
虚が分析する。信じられない、という響きがこもっていた。
「背負わせない。定春くんだけに、あなた達だけに。ここは……
お妙が言う。
祈る様に、願う様に、乞う様に。
「だから
銀ノ魂篇／人類が美しいと証明してみせようか→←銀ノ魂篇／一等星の焼滅
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りら(プロフ) - わざわざお返事ありがとうございます！了解しました！楽しみに待ってます！！！ (2021年2月13日 12時) (
レス) id: da907c3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - りらさん» すみません！ 1話を書き次第こちらで公開させていただきます。 (2021年2月13日 12時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
りら(プロフ) - 初めまして！主さんの投稿楽しく読ませて頂いています。唐突で申し訳ないのですが、次作の「夏の夜は」のパスワードを教えて頂きたいのですが宜しいでしょうか…？ (2021年2月13日 10時) (レス) id: da907c3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
都 - ゆずさん» 失礼いたしました！ (2021年2月2日 16時) (レス) id: 138fff996e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 「月影」でも間違いではないと考え、そのままになっています。 (2021年2月1日 18時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず | 作成日時：2021年1月21日 18時
