銀ノ魂篇/もしも願いが叶うなら ページ16
いつ振りかなぁ、と、ぼんやりする頭で考えた。
いつ振りだっけ、負傷が原因で途中から戦闘に参加出来なくなるのなんて。思い出せないって事は、それ程前なんだろう。もしかしたら初めてかもしれない。
身体のあちこちが痛くて、情けない事に動けない。音で万事屋が虚と戦っているのは解るから、加勢したいのに。龍脈だって、いつまで抑えられているか解らないのに。
すぐ近く、本当にすぐ近くに誰かが倒れている。私を抱き寄せてるみたいにして倒れているんだろうなっていうのが、背中に当たる手と温もりで解る。それが誰なのかっていうのも。
息をしているようで一先ず安心した。それこそ泣きたくなるくらい。
多分負傷の具合は私と変わらないから、大方動きたいけど動けないんだと思う。
ああもう、動けよ自分。今迄こんな事無かったのに、地球の危機って時に限って、何で。
大事なものを護る為にここまで強くなったんでしょ。今が正念場でしょ。
お願いだから、動いてよ。
こうしている間に、銀ちゃんが、神楽が、新八が、どれだけの傷を負っているのか。
もう嫌なのに。護れたかもしれない大切な人を失うのは。
お願いだから、
___ぽふん、と、柔らかいものが頭に触れた。離れたかと思えば、またぽふん。
何これ何これ、と一気に混乱した頭で考えていると、「にゃあ」なんて聞き慣れた鳴き声。
作戦開始前にお登勢さんにまた預けていた、太陽だった。
それが解れば、頭は違う事で混乱し始める。
何でここに太陽が居るの? 危ないのに。
「んにゃ、にゃ。にゃあ!」
「…………太陽?」
頭のすぐ上で、また聞き慣れた声。明らかに私同様混乱しているその掠れ声は、勿論総悟のもの。
そうか、と思う。私の頭の方に居るって事は、太陽は総悟が目を開けば目の前にくるんだ。
「にゃん」
太陽が短く一鳴きしたかと思えば、頬にザラザラとした感触。舐められたなと思ったのも束の間、ほんの少しだけマシになった気のする痛みに「ん?」となった。
切れてた頬の痛みが消えているのは気のせいでしょうか?
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りら(プロフ) - わざわざお返事ありがとうございます!了解しました!楽しみに待ってます!!! (2021年2月13日 12時) (レス) id: da907c3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - りらさん» すみません! 1話を書き次第こちらで公開させていただきます。 (2021年2月13日 12時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
りら(プロフ) - 初めまして!主さんの投稿楽しく読ませて頂いています。唐突で申し訳ないのですが、次作の「夏の夜は」のパスワードを教えて頂きたいのですが宜しいでしょうか…? (2021年2月13日 10時) (レス) id: da907c3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
都 - ゆずさん» 失礼いたしました! (2021年2月2日 16時) (レス) id: 138fff996e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 「月影」でも間違いではないと考え、そのままになっています。 (2021年2月1日 18時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2021年1月21日 18時