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銀ノ魂篇/終わらないもの ページ13

___その(ひと)は、何があっても剣を捨てるなと言い残し、その目を見開いたまま死んでいった。

(おわり)なんて目もくれず、最後の瞬間まで、あの(ひと)も捜し続けていた。



瞑っていた目を開き、新八は力のこもった真っ直ぐな瞳で虚を見据えた。

木刀を握る手にも力がこもり、虚は目を瞠る。


僕達は、終わるために生まれたんじゃない。

たとえ大切な(ひと)を失ってしまっても、たとえこの身が滅んでしまっても、



新八は一歩踏み込むと、振り下ろされようとしていた虚の、刀を持つその右腕に木刀を叩き込んだ。


終わらないもののため、変わらないもののため、今、ここに生きている。


「「新八ぃぃぃいいいい!!」」


銀時と神楽がその名を叫んだ。

新八は、虚へ木刀を叩き込み続ける。


だから、僕も最後の瞬間まで、決して目を閉じない。決してこの剣を離さない。

父上、あなたの剣は、僕の中で生き続けて……



血が噴き出た。虚に斬られた、新八から。
銀時と神楽が目を瞠る。


「いい一太刀でしたよ。最初のだけは」


その時、音を立てて虚の手から刀が落ちた。
刀を掴んでいた筈の腕は崩れていっていて、混乱も束の間虚は血を吐く。

誰もが驚く中、虚は「まさか」と呟いた。


龍脈(りゅう)が、消えた」


さっきまで緑の光を昇らせていたターミナルは、今や静かにただそこに建っているだけ。地面から龍脈が暴走する気配も全く無い。

そして今そんな事が出来るのは、狛神(さだはる)だけ。
たった1匹で、彼は暴走を鎮めたのだ。


驚く虚に、新八が刀を振り下ろした。
斬れる。血が虚から出ている。


「やっととらえた。虚、ボーナスタイムはもうおしまいだ」


新八は、先程の虚の言葉をなぞって言った。


「この場の龍脈は封じられた。お前はもう不死のエネルギーを補給できない。お前に折られた無数の剣が僕らをここにつないでくれた。折れた鋼は集まって、お前の不死を食い破る牙になった。僕らはもう折れない」


それまで諦めを瞳に浮かべていた彼等の目にも、もう1度光が宿る。


「僕らは、もう負けない」

銀ノ魂篇/毒蛇→←銀ノ魂篇/死という理



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りら(プロフ) - わざわざお返事ありがとうございます!了解しました!楽しみに待ってます!!! (2021年2月13日 12時) (レス) id: da907c3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - りらさん» すみません! 1話を書き次第こちらで公開させていただきます。 (2021年2月13日 12時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
りら(プロフ) - 初めまして!主さんの投稿楽しく読ませて頂いています。唐突で申し訳ないのですが、次作の「夏の夜は」のパスワードを教えて頂きたいのですが宜しいでしょうか…? (2021年2月13日 10時) (レス) id: da907c3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
- ゆずさん» 失礼いたしました! (2021年2月2日 16時) (レス) id: 138fff996e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 「月影」でも間違いではないと考え、そのままになっています。 (2021年2月1日 18時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2021年1月21日 18時

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