銀ノ魂篇/地球の底力 ページ37
「なァ、見廻組副長さんよ」
近藤さんは後ろを振り返ってそう言った。
真選組の救護班に巻いてもらったらしい包帯を頭に巻いて、松葉杖を付く信女がそこに居た。
「そん時ゃそのムッツリ顔がどうなるか楽しみだよ」
「……いくらでも、笑ってあげる」
信女は言いながら、視線を空へと向けた。
「でもその笑顔、そう安くはないわよ」
皆も釣られて視線を上にやって、そうして目を見開く。
火霧が漂う中、十数隻の船と共に空を飛ぶ1つのそれに、冷や汗が垂れた。
「なんだ、あのバカでけェ大砲!?」
みるみると砲口に光を溜めると、4つのそれから一斉に攻撃を放つ。
その眩しさと爆風に皆が腕で顔を守る中、全蔵さんが「ありゃりゃ」と呟いた。
「こりゃマズイね。奴等、火霧の上空から霧を焼き尽くすまでブッ放し続けるつもりだ」
「局長ォォ!! 大変です!!」
そして聞こえる慌てた声。トランシーバーを持つ1人の真選組の隊士が、マンホールから上半身だけを出して近藤さんに言う。
「
「いや、それだけじゃない!」
もうやだ。聞きたくない。
建物の屋上から降ってきた声に、嫌々顔を向ける。
双眼鏡で遠くを見る隊士がこれまた慌てた声を上げる。
「ま……まさか、アレは……!!」
何だよ、そんなにヤバい奴居んの?
「荼吉尼!! 辰羅!! 夜兎!!」
うわぁお。
「三大傭兵部族だと!? まさか、奴等そんか連中まで……!!」
「チッ、今迄のは前哨戦に過ぎなかったってワケかよ」
「やれやれ、これじゃあ週末どころか今日もつかも解りやせんね」
「うわ……さっきやっぱりパフェ食べときゃ良かった」
トシや総悟に続いて、思わずそう言う。
諦めてるワケじゃないけどさ、マジかとは思うよね。
『いよいよってワケか』
突然、この場に居る誰のものでもない声がした。
新八がトランシーバーを取り出して、「源外さん!!」と叫ぶ。
『俺達の出番のようじゃねェか。向こうがその気なら、こっちも総出で挑むだけだろ、銀の字』
不敵な声で言った。
『地球の底力、見せてやろうじゃねェか』
シリーズへのリンク→←銀ノ魂篇/世界を救うって使命はどうだい
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ゆい(プロフ) - ありがとうございます! (2020年10月19日 20時) (レス) id: a2d1753a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ゆいさん» すみません、実は続編は、まだ1話も書いていないんです。書き次第公開しますので、それをお待ち下さい。 (2020年10月19日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - すいません!心にもがパスワードがかかっているのですが教えていただけないでしょうか? (2020年10月19日 19時) (レス) id: a2d1753a5f (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - ゆずさん» 楽しみにしてます!!!無理はなさらないでください(TT) (2020年10月18日 22時) (レス) id: 53a94e4f14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 菜々子さん» ストレートなご感想ありがとうございます! いつ完結になるかまだ読めませんが、最後まで頑張ります!! (2020年10月18日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年8月25日 15時