銀ノ魂篇／街の様子 ２ ページ3
「つまり、この国は天導衆と
言ったのは月詠だった。屋根の上で紫煙を吐き出す彼女の隣には猿飛あやめも座っている。
たまは少し離れた所で２人の背中を見ていた。
「ならば天導衆の首を奴等に差し出せば事態は収束するのか」
「天導衆だけじゃない。この
溜息混じりにさっちゃんはそう返す。
「ならばわっちらであの無礼者達を追い返すか」
「この期に及んで全宇宙を敵にして戦うバカがいると思う」
「おるじゃろう」
２人の頭に浮かぶのは同じ連中だった。
いや、彼女達だけではない。源外もお妙も九兵衛も、同じ事をたまに訊いたから。
「たまさん、アイツらは今、どこにいる」
たまの話を聞き終わったお登勢は溜息をついた。
「さて。どこで何してるんだか、あのバカ達……」
諦めてはいけない。
「貴様ァ！！ 我等解放軍を愚弄しているのか！！」
街にそんな荒々しい声が響き渡る。天人達に銃を向けられ、老人はすっかり怯えている。
「我等は天導衆の支配から全ての星の民を解放するため戦っているのだ。その戦いに協力できぬと申すか！！」
「ご、ご勘弁を。老いぼれ１人その日をやっと生きる身、もう家は空です。差しあげられるものは何も……」
やっている事は盗賊以外の何者でもない。解放軍の名を盾にやりたい放題である。
「そうか、ならば
老人の家に銃を連射して下品な笑い声を上げる天人達の後ろで、長谷川泰三はまた自販機の下の小銭へと手を伸ばしていた。
たとえどんな絶望の淵に立たされようと、
とある居酒屋では解放軍が好き勝手していた。
「解放軍にこんなマズイ酒を飲ますとはいい度胸だ。さては貴様協会の手先か！！」
「ち、違います！」
「ならばこの店で１番高い酒をもてい！」
「オイオイ、酔いすぎだぜお前」
グワハハと響く馬鹿みたいな解放軍の笑い声。
まるでそれが聞こえないかのように、長谷川泰三は居酒屋の前の自販機の下の小銭へと手を伸ばしていた。
たとえどんな暗闇の中に立たされようと、
「何をしている、貴様」
そんな彼にかけられる声があった。解放軍である。
小銭を懐に仕舞う長谷川を見て、フンと嗤った。
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ゆい(プロフ) - ありがとうございます！ (2020年10月19日 20時) (
レス) id: a2d1753a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ゆいさん» すみません、実は続編は、まだ1話も書いていないんです。書き次第公開しますので、それをお待ち下さい。 (2020年10月19日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - すいません！心にもがパスワードがかかっているのですが教えていただけないでしょうか？ (2020年10月19日 19時) (レス) id: a2d1753a5f (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - ゆずさん» 楽しみにしてます！！！無理はなさらないでください(TT) (2020年10月18日 22時) (レス) id: 53a94e4f14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 菜々子さん» ストレートなご感想ありがとうございます！ いつ完結になるかまだ読めませんが、最後まで頑張ります！！ (2020年10月18日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2020年8月25日 15時
