銀ノ魂篇／鞘から剣を抜く ページ18
「だからわしにお前と姫を止める権利はない。わしにできる事は」
百地は伏せていた瞳を、真っ直ぐ全蔵に向けた。
「失った友の分まで、友と共に生きようと抗う事だけぞよ」
失ったものは取り返せないし、時間も巻き戻らない。それでも想い続けるのも、間違いではないのだろう。
ただ、まだ残っているものがあるのだ。
「全蔵さん。あの人も……戦っているんでしょ。なら、私も……私達も、戦わなきゃ。這い上がらなきゃ」
そよは俯きながらも、絞り出すような声で言う。
「悲しみの底から、憎しみの底から。負けられないじゃない。
☆☆☆☆☆
「これは一体何のマネだ」
沢山の銃口を向けられ、後ろ手に枷をはめられ、喜々はそう声を上げた。
「それが解らぬ愚鈍な君主ならば、そなたの国が滅ぶのも無理はあるまい」
解放軍をかき分け前に進み出てきたのは、解放軍の提督、圓翔だ。
「協定を破棄し先に銃口を向けたのは
「……！！」
「……そうか」
坂本が静かな声で応えた。ニヤリと笑う。
「それが天導衆の仕業だと解らん愚鈍な指導者ならば、お前の
圓翔を真っ直ぐに見て、絶望だとか悲しみだとか、そんなものは欠片も感じていない表情で。
「侍どもが鞘から剣を抜く前に、降伏せい」
その瞳を真っ直ぐに受け止めた圓翔は、「なるほど」と納得がいったように呟く。
「紫雀の言う通り度胸と口だけは一人前だ。だが安心しろ、戦争など起こらない。地べたで指をくわえるうち、空を仰ぎ瞬きするうちに、全て終わる」
その頃江戸上空には、何百隻もの艦隊が飛んでいた。
「これは戦争ではない。ただの生贄の儀式だ。そなたらの剣など、どこにも届かない」
☆☆☆☆☆
銀ちゃんは虚に向け木刀を突き出した。額に当たり奴を吹き飛ばす、その筈だった。
木刀は虚に当たってすらいなかった。銀ちゃんの足に、何かがしがみついていたから。
虚が彼に向け刀を振るより一瞬早く、信女が銀ちゃんの足にしがみついていた死んでいた筈の男を斬る。それにより、銀ちゃんは虚の攻撃を避ける事が出来た。
「こ……こいつら、まさかっ」
死体だと思っていた男達が次々と立ち上がるのを見て、冷や汗が垂れる。
「不死者！？」
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ゆい(プロフ) - ありがとうございます！ (2020年10月19日 20時) (
レス) id: a2d1753a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ゆいさん» すみません、実は続編は、まだ1話も書いていないんです。書き次第公開しますので、それをお待ち下さい。 (2020年10月19日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - すいません！心にもがパスワードがかかっているのですが教えていただけないでしょうか？ (2020年10月19日 19時) (レス) id: a2d1753a5f (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - ゆずさん» 楽しみにしてます！！！無理はなさらないでください(TT) (2020年10月18日 22時) (レス) id: 53a94e4f14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 菜々子さん» ストレートなご感想ありがとうございます！ いつ完結になるかまだ読めませんが、最後まで頑張ります！！ (2020年10月18日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2020年8月25日 15時
