さらば真選組篇／堕ちる三日月 ページ46
土方と佐々木が間合いを詰めたその時、爆弾が落とされた。爆風により土方は木に身体を打ち付け刀も取り落とす。
見廻組の隊士達と戦っていたAも吹き飛ばされ地面に倒れた。
手を付いてなんとか起き上がろうとした時目に映ったのは、それまで彼女の髪に付けられていた筈の三日月型の髪留め、だったもの。今迄どんなに動き回っても落ちなかったそれが地面に落ち、粉々に割れていた。
「あ……」
目を見開いてそれを見つめる。唇を噛み締めてから目線を外して、近くに転がっていた自分の刀を手に取って立ち上がった。
「こ、こいつは……」
戸惑ったような聞き慣れた声がしてそちらに駆け寄る。木に凭れていた土方は、Aの姿を見つけると少しだけ安心した様な表情になった。それでもすぐに、また顔を戸惑いの色に染める。
「何で見廻組の奴等まで……」
「立てる？」と言って差し伸べてきたAの手を取って土方は立ち上がる。彼女より上の位置に顔がくるといつも黒髪に映えていた黄色の髪留めが無いのに気付いて、少しだけ気になった。
「いやはや。悪役というのもなかなか骨が折れますね」
近くでした声に、２人揃ってバッとその方向を見る。
「あっちこっち敵だらけだ。もう誰もメル友にはなってくれそうもありませんね」
白い隊服に赤い血がよく映えていた。
「よろしい。エリートは善事を行う時も悪事を行う時もエリート」
佐々木異三郎はヨロッと立ち上がりながら誰にともなく言った。
「全員まとめて、この魔王 佐々木異三郎がお相手いたしましょう」
それから呆気にとられる土方に目をやる。
「ただし土方さん、アナタは別です。鬼の相手は片手間じゃ務まらない。スグに片づけるので少々お待ちいただけますか」
急に現れ着陸してきた船に驚いた様子の沖田に、信女が口を開く。船からは続々と奈落が降りてきていた。
「異三郎は世に反乱の火矢を放った。でも奈落はいち早くそれに気づいた。『倒幕』の炎が国中に拡大する前に、反乱勢力が幕府を覆す勢力になる前に、火種そのものを完全にかき消そうとしている」
佐々木がピッピッと携帯を操作して誰かにメールを送ると、海面からいくつもの船が姿を現した。
「だから異三郎は、ここで起こる
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しらぬい - そうなんですね！急かしてしまう形になってすみません…！楽しみにしています〜！ (2020年6月17日 19時) (
レス) id: 411c9be34b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - しらぬいさん» ありがとうございます。見廻組の２人良いですよねホント……。「たち別れ」はですね、まだ１話も書いていないんです。夜には公開できると思います。 (2020年6月17日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
しらぬい - さらば真選組篇 前半お疲れ様でした！異三郎と信女の過去はやっぱり泣けます……。 ところで質問なのですが、パスワードが分からず「立ち別れ」に入れませんでした……パスワードを教えて頂く事は可能ですか？ (2020年6月17日 19時) (レス) id: 411c9be34b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - まめさん» 分かります、原作読んでる時まさかの事実に泣いてました。髪飾りはですね、今後の展開（多分後半の方）を楽しみにお待ちいただければと思います。 (2020年6月17日 8時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - さらば真選組篇前半完結おめでとうございます！ もうこの時点で泣けますね...これから壊れた髪飾りもどうなるか気になります..！ 完結まで駆け抜けて下さい！ついていきます！！ 体に気をつけて更新頑張って下さい！ (2020年6月17日 0時) (レス) id: 7bb68938d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2020年6月3日 8時
