さらば真選組篇／届かなかったメール ページ44
_____４年前の４月１３日、一橋親子の暗殺決行日。佐々木異三郎は松平片栗虎に協力し、幕府からの命に背いた。
本当は終わる筈だったその日、何も知らないままに真選組は救われた。そして当然、骸達子供も誰も殺さずに済んだ。
「佐々木が……
４年越しに信女から告げられた真実に、沖田は信じられず呟いた。
「アナタ達だけじゃない。あの時異三郎は、
生まれてくる子供と重ねたのか、元からそういう情のある男だったのかは、信女にも分からない。それでもあの日、確かに佐々木異三郎は救う為に天に背いた。
「……でも。異三郎を救う者は誰もいなかった。誰も救えなかった」
「佐々木異三郎。あの男はかつて、真選組を救うため、いや、自身の侍の矜恃がため、
朧から告げられる、ずっと敵だと思っていた彼の信じられないような真実。
銀時は目を見開いたままそれを聞いていた。
「だが、烏はそれを見逃さなかった」
佐々木異三郎は走っていた。人１人歩いていない夜の道を、必死で。
よくやくいい名前が思いつきました。
今度はきっと、君も気にいってくれると思います。
それは妻に送ろうとしたメールだった。出産を終えた彼女に、珍しくワクワクしながら。
こちらにはいつ着くんですか。
近くまできたらメールしてください。
遠くてもいい、メールしてください。
佐々木が握りしめる携帯の画面には、『送信できませんでした』なんて無機質な言葉がいくつも並んでいた。
どこへなりとも、むかえにいきますから。
佐々木は必死に動かしていた足を止めた。
血を流し倒れる何人もの男達、彼等の中心にあるのは立派な籠。見覚えのある携帯が半分に切られて落ちていて、それに伸ばすように白い手が籠から出ていた。
籠の上に立っていたのは、いつの日かのハイライトの無い赤い瞳の少女だった。
君と、信女を。
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しらぬい - そうなんですね！急かしてしまう形になってすみません…！楽しみにしています〜！ (2020年6月17日 19時) (
レス) id: 411c9be34b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - しらぬいさん» ありがとうございます。見廻組の２人良いですよねホント……。「たち別れ」はですね、まだ１話も書いていないんです。夜には公開できると思います。 (2020年6月17日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
しらぬい - さらば真選組篇 前半お疲れ様でした！異三郎と信女の過去はやっぱり泣けます……。 ところで質問なのですが、パスワードが分からず「立ち別れ」に入れませんでした……パスワードを教えて頂く事は可能ですか？ (2020年6月17日 19時) (レス) id: 411c9be34b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - まめさん» 分かります、原作読んでる時まさかの事実に泣いてました。髪飾りはですね、今後の展開（多分後半の方）を楽しみにお待ちいただければと思います。 (2020年6月17日 8時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - さらば真選組篇前半完結おめでとうございます！ もうこの時点で泣けますね...これから壊れた髪飾りもどうなるか気になります..！ 完結まで駆け抜けて下さい！ついていきます！！ 体に気をつけて更新頑張って下さい！ (2020年6月17日 0時) (レス) id: 7bb68938d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2020年6月3日 8時
