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さらば真選組篇/序章 ページ1

徳川茂茂の葬式には、大勢の国民が参加しているのだろう。新八と神楽もその様子を見に行ったのを知っている。


だが銀時は式に参列する事も様子を見に行く事も無く、松葉杖をつきながらある場所へと向かっていた。




彼はとある建物の前で立ち止まる。『真選組屯所』と書かれた看板が下げてある建物だ。


不本意ながら何回か来た事があるこの建物は、確かいつもいつもうるさかったように思う。だが今は、不気味な程に静まり返っていた。どこにも、誰も居ない。




だが銀時が角を曲がった時、「えいぃ!!」なんて声が聞こえてきた。声の主に思い当たって稽古場へと行けば、ゴリラみたいな男が竹刀を振っていた。




「太刀筋に迷いが見える」




らしくないその様子に、入り口にもたれて声をかけた。竹刀もピタリと止まる。




「犬のお巡りが迷子の子猫そっちのけで迷ってたら世話ねェや。稽古つけてやろうか。今なら(コイツ)でも勝てそうだ」


「ヘッ、遠慮しとくぜ。年中迷子のはぐれ雲のゆく先は、お巡りさんにも解らんさ」


「少なくともシラフじゃこんなムサい所に迷いこまねェよ。一体何の用だ。他の連中は……Aはどうした」


「さあな。葬式(しき)にでも出てんだろ」




銀時は黙ると、また自分に背を向けた近藤の背中をジッと見た。その沈黙の意図に気付いた近藤はまた口を開く。




「俺にゃ顔出す資格はねェからな」




近藤はそれから、銀時が立っているのとは別の出入り口へと向かった。




「だが丁度いい人払いになった。あの時の万事屋(てめーら)への報酬、まだだったろ」




よいしょ、と縁側に座る。その隣には、2つの徳利と3つのお猪口の乗った盆があった。




「まァ、アレだ。こんな時じゃなけりゃ」




1つの徳利を持って、近藤は笑って銀時を振り返った。




「伝説の攘夷志士と真選組局長が、サシで飲む機会なんざねェだろ」




一杯つき合えよ、白夜叉。そう言った近藤は、やっぱりどこからしくなかった。

さらば真選組篇/新警察庁長官→



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しらぬい - そうなんですね!急かしてしまう形になってすみません…!楽しみにしています〜! (2020年6月17日 19時) (レス) id: 411c9be34b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - しらぬいさん» ありがとうございます。見廻組の2人良いですよねホント……。「たち別れ」はですね、まだ1話も書いていないんです。夜には公開できると思います。 (2020年6月17日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
しらぬい - さらば真選組篇 前半お疲れ様でした!異三郎と信女の過去はやっぱり泣けます……。 ところで質問なのですが、パスワードが分からず「立ち別れ」に入れませんでした……パスワードを教えて頂く事は可能ですか? (2020年6月17日 19時) (レス) id: 411c9be34b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - まめさん» 分かります、原作読んでる時まさかの事実に泣いてました。髪飾りはですね、今後の展開(多分後半の方)を楽しみにお待ちいただければと思います。 (2020年6月17日 8時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - さらば真選組篇前半完結おめでとうございます! もうこの時点で泣けますね...これから壊れた髪飾りもどうなるか気になります..! 完結まで駆け抜けて下さい!ついていきます!! 体に気をつけて更新頑張って下さい! (2020年6月17日 0時) (レス) id: 7bb68938d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2020年6月3日 8時

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