将軍暗殺篇/素顔隠して殺気隠さず ページ8
道中の茶屋で休んでいると、何やら御庭番衆が慌てた様子なのに気付いた。
トシと顔を見合わせてから、さっちゃん達の話し声に耳を澄ます。
どうやら、斥候2人と見廻り3人が背後からの一撃で殺されていたらしい。
「御庭番の索敵を逃れ背後から!?」
「裏切り者でもいるというの」
冷静なさっちゃんの問いに、黒装束の忍2人が頷く。
「その可能性が高い。とにかくこのまま西へ進むのは危険だ。1度部隊を集め、全員の身を改めるべきだ」
「……そんな面倒な事しなくても、ここに裏切り者なんていないわよ。いるのは、」
黒装束の忍2人のコメカミに、正確にクナイが突き刺さる。
「
さっちゃんの左と右で、彼等は血を噴き出しながら崩れ落ちる。
どうやら男2人は敵で、変装して紛れ込んでいたらしい。
流石、と思いながら、私も刀を素早く抜いて背後の男を躊躇なく斬った。
マジで殺気隠せてないぜ。手練れにそれは「どうぞ殺して下さい」って言ってるようなモンだからな。
「やれやれ。ようやく罠にかかったというべきか」
銀ちゃんは短刀を持つ茶屋の女主人を刺しながら、溜息をついた。
「こっちがかかったというべきか」
皆が殺気を敏感に感じ取れたから良かったものの、見た目だけなら本当に分からなかった。
間違いなく、敵も忍を使っている。
「あ」
思わず声を上げると、皆が一斉に私を見た。
トシが怪訝そうな顔で訊いてくる。
「どうした。嫌な予感がするとか言わねェよな」
「いや、嫌な予感って言うか……嫌な音がする」
「音ォ?」と益々怪訝そうな顔をするトシに頷いてから、その方向を見た。
私の視線を追って目線を移した皆の顔も強張る。
「ね」
私が聞き取ったのは幾人もの走ってくる音。
目線を移して見えたのは、崖を白装束の忍が駆け下りてくる光景。
「あれ敵でしょ?」
「言ってる場合か!! 来るぞ!!」
その言葉と同時に、クナイの雨が降ってきた。
将軍暗殺篇/忍は首を狩るために→←将軍暗殺篇/将軍の務めと忍の務め
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ゆず(プロフ) - 恋成さん» 3日でって凄いですね! ありがとうございます、本当に嬉しいです。長文むしろありがたいです、これからも頑張ります! (2020年6月2日 21時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - まめさん» ありがとうございます! 分かります、最後泣きますよね。そよちゃんが何も知らないのが、もう……。空知先生半端ない。体調に気をつけて頑張ります! (2020年6月2日 21時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
恋成 - 将軍暗殺篇完結、お疲れ様でした。今更ながら銀魂にハマった私、学校が始まったにも関わらず、3日でシリーズ全てを読み切りました。とても面白く、のめり込んでいきました。これからも楽しみにしています。長文失礼しました。 (2020年6月2日 21時) (レス) id: 6d3a560269 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 将軍暗殺篇完結お疲れ様でした! これ最後のそよちゃんと将軍様のやり取りで泣きました。。タイトル回収するとは思わなかったですねこれ、、 今回も楽しく読ませていただきました!次も楽しみにしてます! 体調にお気をつけてくださいね! (2020年6月2日 19時) (レス) id: 7bb68938d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - しらぬいさん» 分かります、烙陽決戦篇も良いですよね! ちゃんとお兄ちゃんしてる神威と攘夷四天王の共闘が最高です。百人一首は毎回頑張って選んでいるので、そう言っていただけて本当に嬉しいです! (2020年6月2日 16時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年5月26日 23時