将軍暗殺篇/摩利支天 ページ27
神威の番傘を見て目を瞠る武市達だが、高杉は笑みを崩さずに「いや」と返した。倒れるさっちゃんに目を向ける。
「ただの『無駄な悪あがき』ってんだ」
急所を狙われた筈のさっちゃんは、まだ目を開いて息をしていた。誰かが神威の弾頭をクナイでずらしたため肩に当たるだけで済んだのだ。
「動くな」
鬼兵隊の後ろ、森の方から、そんな声がした。
「動けば全員のケツにコイツをブッ込む。痔は一生モンだぜ。ケツは大切にした方がいい」
クナイを持つ服部全蔵だった。立つのだけでやっとなのだろう、木にもたれて立っている。
さっちゃんに目を向けた。
「一緒に生きて帰ろう、そう言ったのはお前だ。なのに俺より先にくたばろうってのか」
「ゴメン、全蔵。私……」
「いつも勝手に1人でいくのは俺で、止めんのはお前だった。いつもバカやらかすのは俺で、いさめんのはお前だった」
なあ、猿飛。
「なのに、お前が俺に謝るなよ。お前が俺より先に、勝手にいこうとすんなよ」
俺はブス専だが、お前のブサイクな泣きっ面見るのはもう御免なんだ。
「もう俺の前では泣かせねェ」
武市がスッと手を上げた。
「死に損ないが私達全員を串刺しにするより、私達がボロ雑巾を2枚引き裂く方が速いと思いますが」
「動くなと言ったのがきこえなかったか」
直後、武市の上げた手にクナイが刺さる。それは全蔵が今投げたものではなく、上から降ってきたものだった。
「死に体とはいえ忍の技、お前達の目でとらえられるか。俺の技は刹那に終わるぜ」
鬼兵隊が上を見上げれば、クナイの雨が降っていた。
「あまりに速すぎて、自分でもどれ位前に投げたか忘れちまった」
そうしてクナイが鬼兵隊や夜兎を襲う。
「ケツにブチ込むとのたまっていたのは俺達の目を上に向けさせないため。そしてこのクナイの雨も、」
クナイの雨が止むと、高杉と神威は同時に2人の間で倒れた鬼兵隊の男へと武器を向ける。
「目眩しだ」
その男の下にはクナイを2人に向けた全蔵が居た。
「
「目眩しなんかじゃねェさ。てめェら特大のケツの穴にお誂え向きなとっておきの忍術は、もうとっくに使ったさ」
それこそいつだったか忘れる位前。だけど確かに、あのコンビニで。
高杉と神威が瞠った目を上へと向ける。崖から落ちてきたのは、銀時と神楽だった。
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ゆず(プロフ) - 恋成さん» 3日でって凄いですね! ありがとうございます、本当に嬉しいです。長文むしろありがたいです、これからも頑張ります! (2020年6月2日 21時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - まめさん» ありがとうございます! 分かります、最後泣きますよね。そよちゃんが何も知らないのが、もう……。空知先生半端ない。体調に気をつけて頑張ります! (2020年6月2日 21時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
恋成 - 将軍暗殺篇完結、お疲れ様でした。今更ながら銀魂にハマった私、学校が始まったにも関わらず、3日でシリーズ全てを読み切りました。とても面白く、のめり込んでいきました。これからも楽しみにしています。長文失礼しました。 (2020年6月2日 21時) (レス) id: 6d3a560269 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 将軍暗殺篇完結お疲れ様でした! これ最後のそよちゃんと将軍様のやり取りで泣きました。。タイトル回収するとは思わなかったですねこれ、、 今回も楽しく読ませていただきました!次も楽しみにしてます! 体調にお気をつけてくださいね! (2020年6月2日 19時) (レス) id: 7bb68938d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - しらぬいさん» 分かります、烙陽決戦篇も良いですよね! ちゃんとお兄ちゃんしてる神威と攘夷四天王の共闘が最高です。百人一首は毎回頑張って選んでいるので、そう言っていただけて本当に嬉しいです! (2020年6月2日 16時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年5月26日 23時