将軍暗殺篇/護って護られて ページ23
茂茂を囲うように丸くなった彼等は、また5人の夜兎を倒して一息つく。近藤が「やれやれ」と零した。
「将軍の護衛が将軍に護られてたら世話ねェな」
そう。夜兎を5人倒せたのも、茂茂によるクナイでの的確な助けがあったからであった。
銀時が木刀を構えながら、また歩いて来る夜兎の集団を見据える。
「見た通りだ。全員、あるもんはパンツの中まで全部ひねり出さねェと生き残れねェよ」
「案ずるな」
そう返したのは茂茂だった。夜兎の包囲がジリジリと迫る中言う。
「空いた背中は互いに護り合う。それが、『ダチ公』であろう」
Aと銀時に目を向けて言われた言葉に、皆が少し目を瞠る。Aが微笑んだ。
「嬉しい、私達の言葉引用してくれて」
「お前か、将軍様に汚ねェ言葉教えたのは」
「トモダチンコの方が良かったアルか」
「そうか、そんな言い方もあるのだな」
「これ以上余計な事を教えんな」
「オイオイ、この調子じゃまた影武者かもしれねェな」
「いや」
銀時の言葉に近藤がそう返す。そして言った。
「将軍様だ。間違いねェ、俺達の将軍様だ」
徳川茂茂とはそういう男なのだ。何でもすぐに素直に信じ、受け入れる。キャバクラでも、スキー場でも、そしてこんな戦場でも。
「やれやれ」
1人の夜兎がそう言いながら、彼等に近づいてきた。
「
余裕そうな低い声。A達には聞き覚えのある声。
「一応こう見えて、絶滅寸前の希少種なんだぜ。もうちっと丁重に扱ってほしいもんだ」
その男は夜兎の集団を引き連れていた。
「だがどうやら先に絶滅すんのはアンタらみてェだな、サムライ」
春雨第七師団副団長、阿伏兎はそう言って笑う。神楽が目を瞠った。
「お前は……」
「久し振りだなお嬢ちゃん。あの後大変だったんだぜ、団長にこっぴどくお灸をすえられて」
阿伏兎はAと銀時にも目を向けた。吉原で会った時の事を覚えているらしい。
「今度会った時は同族だろうと手加減すんなってな。まァもっとも、これだけ同胞を狩ってくれた連中だ。たとえ団長の妹だろうと、たとえ団長の想い人だろうと、たとえ団長の獲物だろうと、言われずとも生きて帰すつもりはねェが」
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ゆず(プロフ) - 恋成さん» 3日でって凄いですね! ありがとうございます、本当に嬉しいです。長文むしろありがたいです、これからも頑張ります! (2020年6月2日 21時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - まめさん» ありがとうございます! 分かります、最後泣きますよね。そよちゃんが何も知らないのが、もう……。空知先生半端ない。体調に気をつけて頑張ります! (2020年6月2日 21時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
恋成 - 将軍暗殺篇完結、お疲れ様でした。今更ながら銀魂にハマった私、学校が始まったにも関わらず、3日でシリーズ全てを読み切りました。とても面白く、のめり込んでいきました。これからも楽しみにしています。長文失礼しました。 (2020年6月2日 21時) (レス) id: 6d3a560269 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 将軍暗殺篇完結お疲れ様でした! これ最後のそよちゃんと将軍様のやり取りで泣きました。。タイトル回収するとは思わなかったですねこれ、、 今回も楽しく読ませていただきました!次も楽しみにしてます! 体調にお気をつけてくださいね! (2020年6月2日 19時) (レス) id: 7bb68938d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - しらぬいさん» 分かります、烙陽決戦篇も良いですよね! ちゃんとお兄ちゃんしてる神威と攘夷四天王の共闘が最高です。百人一首は毎回頑張って選んでいるので、そう言っていただけて本当に嬉しいです! (2020年6月2日 16時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年5月26日 23時