有馬山

将軍暗殺篇／味方 ２ ページ3

何でも、将軍様と姫様は一時的に松平邸(ここ)に避難していたらしい。


うん、それは良いんだけどさ、何で姫様まで影武者になってんの？ 姫様になんつーカッコさせてんの？


しかも何か左端の３人組、私メチャクチャ見覚えある気がするんですけど。




「何でここにいんだ万事屋(てめーら)ァァ！！」


「やっぱそうだよね！？ 銀ちゃん達だよね！？」




ただでさえプライドエレベスト級の万事屋が将軍になりきるとか横暴政治の予感しかしないんですが！！


案の定「タメ口とは無礼じゃぞ」とトシをガシガシ蹴る銀ちゃんに、「もしかして、銀さん？」と声がかけられた。




「なんでこんな所に。もしかして、私を……」




２番目に出てきた、アソコまで立派な征夷大将軍。正体はどうやらさっちゃんだったらしい。


でもそっか、さっちゃん元御庭番か。




「助けにきてくれたのねェ！！」


「その身体で近寄ってくんなァァァ！！」




貴方も大差無いと思います！！




「キャアアアア、銀さん大好き♡」


「つーかそれ将軍」


「カッ、カッ、カゲ汁ブシャァァ！！」


「カゲ汁出さないでもらえます！？」




つーか何だカゲ汁って。カゲッシーって事か？ ふ○っしーのパクリか？




「あれ、全蔵さんは居ないんだね」


「えぇ、そうみたい……やっぱり銀さんは全蔵(アイツ)とは大違いだわ」




全蔵さんも御庭番だったよな、と思って訊くと、さっちゃんは少し悔しそうな顔をしてから、頬を染めて銀ちゃん(ではなく将軍様)を見上げた。


だけど、銀ちゃんは「いや」なんて言う。




「アイツに頼まれたのさ」




作戦には参加しないのに……？




「そ……そなたらは」




一方将軍様は、新八や神楽を見て目を見開いていた。


流石と言うか何と言うか、国盗合戦の時に会った事を覚えていたらしい。




「兄上様がもう１度会いたいって言ってたから」


「将軍様のピンチときき、いてもたってもいられず来てしまいました。申し訳ありません」


「前は私達が助けてもらったから、今度は私達の番ネ！！」




２人の言葉にまた「そなたら」と呟く将軍様に、姫様がダメ押しとばかりに微笑む。




「兄上様、よかったですね。兄上様にはまだこんなにいっぱい、味方がいるんですよ」

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