将軍暗殺篇/忍の里 ページ14
忍の聖地、隠れ里 不知火。
先の乱でも敵の侵入を許さなかった忍の要塞。忍の神 摩利支天が護る地。
「茶でも飲んでゆっくり休め」
崖の途中に造られた一際立派な建物の中、包帯グルグル巻の人形の口から湯呑みへと茶が注がれた。
ゴト、ゴト、ゴト、と、座布団に横1列で座るA達の前にそれが置かれる。
「飲め。里特性の茶、忍茶ぞよ」
「……あの、すんません百地さん。それって武器なんですよね。人じゃないんですよね」
ついさっきまで人だと思っていた人形の口から注がれた茶を飲む気になれず、新八が恐る恐る尋ねる。
すると何を思ったのか、その人形は椅子の上で立ち尻を向けた。
「童どもに茶は早かったか。ならばこれでどうぞよ」
「わぁ、ココアアル!!」
「え、私も飲みたい!」
「百地さん、それ大丈夫なんですよね。本体アンタなんですよね」
尻の穴にしか見えないそこから神楽の湯呑みへ茶色いものが注がれる。
ココアだと分かっていても飲もうと思える神楽とAは、流石というかなんというか。
「わしは傀儡術を極めし忍。
「あの、よく解んないんですけど下手したらアナタの方が人形に見えるんですけど」
「案ずるな、モモちゃんは時に武器になるが時に急須にもなる万能性能」
ようするに大丈夫って事か、と茶を飲んだ近藤と土方だが、
「そして時には便器にもなる」
ブバァッと吹き出した。
そして口を押さえながら、ドタドタと駆けて行く。
「そちらに行っても厠はない。命もない」
突然現れた落とし穴に、2人揃って吸い込まれていった。
ここは忍の要塞、あちこちに罠が用意してあるらしい。
「将軍の身の安全はわしが保障しよう。あとはわしらに任せ、そなたらはこの一件手を引くぞよ」
百地は残ったA達にそう言った。Aがピクリと片眉を上げる。
「既にそなた等以外の部隊は敵の手によって潰滅していよう。将軍を京へ移送する計画はご破算になったぞよ」
「だからこそ、私達がやらないで誰が将軍を護るネ」
「敵は一国家に匹敵する武力を持った連中ぞ。護るなんて通常の考えでは、将軍は再び死ぬ」
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ゆず(プロフ) - 恋成さん» 3日でって凄いですね! ありがとうございます、本当に嬉しいです。長文むしろありがたいです、これからも頑張ります! (2020年6月2日 21時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - まめさん» ありがとうございます! 分かります、最後泣きますよね。そよちゃんが何も知らないのが、もう……。空知先生半端ない。体調に気をつけて頑張ります! (2020年6月2日 21時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
恋成 - 将軍暗殺篇完結、お疲れ様でした。今更ながら銀魂にハマった私、学校が始まったにも関わらず、3日でシリーズ全てを読み切りました。とても面白く、のめり込んでいきました。これからも楽しみにしています。長文失礼しました。 (2020年6月2日 21時) (レス) id: 6d3a560269 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 将軍暗殺篇完結お疲れ様でした! これ最後のそよちゃんと将軍様のやり取りで泣きました。。タイトル回収するとは思わなかったですねこれ、、 今回も楽しく読ませていただきました!次も楽しみにしてます! 体調にお気をつけてくださいね! (2020年6月2日 19時) (レス) id: 7bb68938d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - しらぬいさん» 分かります、烙陽決戦篇も良いですよね! ちゃんとお兄ちゃんしてる神威と攘夷四天王の共闘が最高です。百人一首は毎回頑張って選んでいるので、そう言っていただけて本当に嬉しいです! (2020年6月2日 16時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年5月26日 23時