バラガキ篇/長らくご無沙汰だった銀色 ページ19
「歯車はただ回るだけです。もう止まりませんよ。時間切れです、土方さん」
佐々木がそう言った、直後。
知恵空党の居る廃ビルから、刃物と刃物のぶつかる音や大声が聞こえてきた。
「やれェェェェ!! 1人残らず殲滅せよォォ!!」
見廻組が、いつの間にか廃ビルの屋上へと辿り着いていたのだ。
「チキショォォ!! こうなったらてめーも道連れだァァ!!」
そう叫んで鉄之助を引き寄せる厭魅眠蔵だが、やはり見廻組は人質を気にも留めない。
彼らを囲むような位置取りで剣を振りかざし、そして、
「鉄ゥぅぅううう!!」
真選組が、唖然として屋上を見つめる。
土方はボロボロの身体をおして、屋上へと続く階段を上る。
佐々木は無表情で、懐から携帯電話を取り出した。
「もしもし、サブちゃんですけど。見廻組の手引き御苦労様でした。おかげで難なく奇襲が成功しましたよ」
『これで俺の仕事はシメーか』
「ええ、後は我々がうまくやります」
『そうか、じゃあ、』
その時丁度、土方が屋上へ到着していた。
鉄之助を刺した筈の見廻組の隊士達がぐらりと倒れる様子に、そして見えた光景に、目を瞠る。
「こっからは俺の好きにやっていいんだな」
見廻組の隊士達が取り囲んでいたそこで、攘夷浪士達を庇うように木刀を持って前に立っていたのは、携帯電話を耳に当てた坂田銀時だった。
「てっ、てめーはァァァ!!」
『ほう、寝返りですか。結構ですよ。元よりメールもロクに返さないメル友なら、』
大きな音がした。
例えるならそう、何か大きなプロペラでも回っているような、
『アドレス帳に残すつもりはありませんから』
黒塗りの、大きなヘリコプターが、銃を屋上へと向けた。
見廻組突入は、土方を屋上へ誘い出すため。
見廻組で出入口をかため逃げ場を無くした上で、彼らを浪士ごと皆殺しにするつもりなのだ。
「まァ、待てよ。俺ァ何も、真選組につこうってんじゃねーよ」
そんな状況でも相変わらず、銀時はどこか気の抜けた声で言う。
「生来ポリ公とは気が合わねェ。唯一の例外は妹だ。
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ゆず(プロフ) - りさん» ありがとうございます! バラガキ篇大好きなので、ドンドン更新していけたらと思います。全力で頑張ります! (2020年4月23日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
り - 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください全力で応援してます!! (2020年4月23日 19時) (レス) id: e466fb159c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年4月23日 12時