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バラガキ篇/歯車に絡まった茨 ページ13

「どいてください。アナタ達は自分の心配をなさった方がいい」




元攘夷浪士を小姓として使い、さらには人質にとられ、このような事態を引き起こした失態。


さらには佐々木家から預かっていた子息を死なせた(・・・・)失態。


一体どう責任をとるのか、ファンとして楽しみにしていると佐々木は言った。




……それで、全てが分かった。


分かったから、土方は佐々木の胸ぐらを思い切り掴んだ。




「てめェ。(やつ)を道具に使いやがったな」




人を道具として使うなんて、土方が最も嫌悪する人種の1つだった。しかも弟をだ。


ふつふつと、怒りが湧いてくる。




「邪魔なもん2つ同時に消したかったのはお前の方だったってワケか」


「やめろトシ!!」


「元攘夷浪士の厄介者の弟を俺達に預け、こうなる事を予期していながら全ての責任を俺達になすりつけ、邪魔な弟と俺達を消して万々歳ってワケか」


「誤解ですよ。私はあなた達のファンだと言ったでしょ。ただ組織において、アナタ達のようなはみ出し者を扱いかねる無能者もいるという事です」




土方の言葉に、佐々木はやっぱり淡々とそう返す。




「我々は歯車の1つである事を理解した方がいい。私ですか? 理解していますよ、自分がとてつもなく巨大で優秀な歯車でしかない事位は」




それが、引き金となった。


頭に一気に血が上る。




「てめーは一生、人に罪をなすりつけてやがれ!!」




刀の鯉口を切って、佐々木に斬りかかろうとする。


それを止めようと土方の名前を叫んだ近藤の背後に、ふわりと白い人影が在った。




「私の首をもっていくというのならば、首が1つ足りませんよ」




姫カットのその女は鞘から剣を出そうとし、




ガカッ!




ピタリと止まった。


彼女の長い鞘を刀が貫いていて、首元には刀がつきつけられていたから。




「抜いてみろ」


「次は、○○○(ピー)ブチぬく」




喧嘩っ早く気の短い3人に、近藤がまた慌てて「やめろ」と声を出す。


それでも隊士達は黒も白も、お互いを敵とみなして臨戦態勢に入った。




「おちつけェ、てめーら!! 今はんな事やってる場合じゃねーだろ!!」

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ゆず(プロフ) - りさん» ありがとうございます! バラガキ篇大好きなので、ドンドン更新していけたらと思います。全力で頑張ります! (2020年4月23日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください全力で応援してます!! (2020年4月23日 19時) (レス) id: e466fb159c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2020年4月23日 12時

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