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バラガキ篇/チェケラ!! ページ2

「ちぃす。TETUっス」




ガムをくちゃくちゃ言わせながら、佐々木鉄之助はそう自己紹介をした。


その不快音に、私とトシの書類を書いていた手がピタリと止まる。




「えーと、土方(どかた)さんでしたっけ。え、何で女も居るんスか、もしかして彼女? 俺ハンパは嫌いなんでェ、次からは女部屋に連れ込むのやめてほしいっつーか。あと俺正直コショウとかよくわかんねーんだけど、要はジョーイとかいうチーム狩ればいいんスよね」




まず名前を完璧に間違ってんだけど。


私はトシの彼女でもないし。補佐だし。


そしてお前は攘夷を狩るのが仕事じゃなくてトシ(と私)の手伝いが仕事だ。




「俺マジケンカなら敵ナシなんでェ、俺にもヘッドはらせてくんないスか。正直自分より弱ェ奴に頭下げんのポリシーに反するっつーか、縛られたくねーんスよ」




真選組にお前より弱い奴1人も居ないかんな。


後ガムうるせェ。




「俺達は上も下もねェ、生まれながらにして自由でそこにあるのは仲間(だち)か敵かそれだけスよ。なんであんまナメた口きかれると俺キレっかもしんないんでェ、マジ気をつけた方がいいスよ。手がつけられなくなるんでェ」




それから佐々木鉄之助は、何も言わないトシに向けて拳を突き出した。




「まっ、お互いフェアにいこうぜって事で。よろしくTOSHI、イェーイ」




その拳を殴り返せたら良いなとか思ってるんだろうなぁ。


そんでもって片方だけ裾上げて寸法合ってないから脚斬って寸法合わせたいとか思ってるんだろうなぁ。


もう切腹させたいとか考えてるんだろうなぁ。




何故分かるかというと、私も全く同じ気持ちだからである。


でも思うのと出来るかどうかは別だ。




「イェーイ……よろしくTETU……」


「これでアンタと俺は一生モンのDACHIだぜイェーイ」


「て、TETU、私トシの彼女じゃなくて補佐なんだよね〜……」


「あ、そうなの? 早く言ってくれよ、じゃあお前もよろしくイェーイ」


「い、イェーイ……」




それからやっと出て行った佐々木鉄之助を、トシは障子の木の部分に頭をガンガンぶつけながら、私はペンで手の甲をぶっ刺しながら見送ったのだった。


……私達いつまであの腹立つガキに怒りを抑えられるんだろう。

バラガキ篇/自分らしく生きるとは→←バラガキ篇/序章



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ゆず(プロフ) - りさん» ありがとうございます! バラガキ篇大好きなので、ドンドン更新していけたらと思います。全力で頑張ります! (2020年4月23日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください全力で応援してます!! (2020年4月23日 19時) (レス) id: e466fb159c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2020年4月23日 12時

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