バカ提督 ページ36
「だから言っただろう」
神威がずっと不自由だった手首をプラプラさせながら口を開いた。
「あれは呪いの博打だって。どっちが先に死ぬかなんて言ったけど、2人一緒に死ぬつもりかい」
「どうせ踊るなら、アホとよりとんでもねェアホと踊ったほうが面白ェだろうよ」
背中を合わせた男の言葉に、神威はクスクス笑う。
侍はやっぱり面白い、と。
「高杉ィィィィィ!! 貴様ついに化けの皮がはがれたなァァァ!!」
「飼い犬が主人にかみつくとは、身の程をしれェェ!! 貴様らは既に用済みの道具!! 宇宙の塵にしてくれるわ!!」
一斉に銃を向けてきた天人に、高杉はニヤッと笑った。
「用済みなのはてめーらだよ。言っただろう、介錯は俺がつとめるってよォ。この刑場において処刑執行人は俺ただ1人」
ここは神威の処刑場でも、高杉の処刑場でもない。
「ここは、てめーら全員の首斬り台だ」
ドォン、ドォン!!
処刑場の右と左、同時に2発大砲の撃ち込まれる音がした。
現れたのは、また子や万斉、鬼兵隊の面々。
「晋助様ァァァ!! 攘夷浪士はやっぱこうっスよね!! また子は一生ついていきます」
「正気ですか、晋助殿も皆さんも。春雨相手にこの手勢で勝ち目があると!?」
「フン。正気などたもっていては、世界を相手に喧嘩など売れんでござる」
春雨をなぎ倒していく鬼兵隊に、アホ提督が青筋を立てて喚く。
「おのれ、猿どもが!! 何をしている!! 潰せェェェ!!」
ドゴォン!!
また新たに大砲が撃ち込まれ、天人が吹っ飛んだ。
「やれやれ。なんだい、心配して必死こいて船手こぎで来てみれば」
黒い服に、番傘の集団。
「いつも以上に、ピンピンしてるじゃねーか」
艦隊の追撃を受けてどこかの星に落ちたまま消息不明だった筈の、第七師団だった。
そこからは早い。
第七師団が無事だったと分かるや否や十二師団が次々と寝返り、アホ提督は完全に形勢を覆された。
ここで最後まで粘るのならば、アホ提督などとは呼ばれない。1人だけ逃げようとしているのを勾狼に見つかり、2人で言い争っていれば、
「オ、オイ、アレなんだ!?」
「か、神威!!」
神威は笑顔でヒラヒラ手を振った後、彼らの乗る船に向けて助走をつける。
「神威じゃないですよ、アホ提督。今日から、」
跳んで、
「バカ提督です」
ドドォン!!
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ゆず(プロフ) - リヒトさん» すごく嬉しいです、ありがとうございます! 折角春休みなので、更新ドンドンしていこうと思います! (2020年3月16日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
リヒト(プロフ) - もう好きすぎて1日で全部読んで何回も繰り返して読んでます!!笑これからも更新頑張ってください!!めっちゃ応援してます!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: c6295103af (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» またコメントくださってありがとうございます! 受験なんかに負けず頑張ります! (2020年2月26日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
% - 続編おめでとうございます!ゆずさんの紡ぐ物語は読んでいて心地良いです!カッコいいと可愛いを兼ね備える美女は正義ですね(謎理論) 更新頑張ってください!応援してます! (2020年2月26日 8時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - somariさん» ありがとうございます! 更新頑張ります! (2020年2月25日 16時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2020年2月21日 17時