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秋はとばして ページ31

「……アレ?」




クンクン、と辺りを嗅いで、私は眉をひそめる。


ちょっと首を傾げてから、目の前の引き戸を開けた。




「こんばんは〜」


「こんばんは。いらっしゃいませ、A様」




う〜ん……いつも通りだよなぁ。


可愛い機械(からくり)の女の子、たまにニコッと笑ってから、カウンター席に腰を下ろしつつまた首を傾げる。


「お登勢さん」、と、周りの酔っ払い共が生み出している喧騒に負けないよう少し大きめの声で言う。




「何だィ?」


「この店の前で最近、喧嘩でもありました?」



この4年間で、すっかり嗅ぎ慣れた臭いがしたんだ。


血の臭いが。




「ああ……あったよ」




お登勢さんは苦い顔をして答えてくれた。




「やっぱり。それとなんか、この町何かありました? 前よりも荒れてる気が」


「大した事じゃないよ。この間、勢力図がガラリと変わっただけさね」


「……それ大した事じゃないんですか?」




以前聞いた事がある。


この町は、かぶき町四天王と呼ばれる4人によって治められていると。


溝鼠組の頭である大侠客の泥水次郎長、かまっ娘倶楽部の店長である鬼神西郷特盛、賭場を仕切っている孔雀姫華陀、そしてお登勢さんの4人だ。




「色々ゴタゴタがあった挙句、次郎長は引退、華陀は失脚さ。私とオカマも四天王だなんてのから退いた」


「そうなんですか……」




そのゴタゴタとやらが気になるけれど、まあ良いか。


出されたお酒を飲むと、冷えた身体にじんわり染みる。




「……そのゴタゴタとやらで、銀ちゃん無茶しませんでした?」


「してたねェ。終わった後入院してた」


「あのバカ兄貴」




無茶しないでほしいのに、いつもそうだ。


何かを護る為に無茶してる。


まあ、そういうところに憧れたんだけれど。

悪党だらけの この素晴らしき世界→←かぶき町四天王篇



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ゆず(プロフ) - リヒトさん» すごく嬉しいです、ありがとうございます! 折角春休みなので、更新ドンドンしていこうと思います! (2020年3月16日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
リヒト(プロフ) - もう好きすぎて1日で全部読んで何回も繰り返して読んでます!!笑これからも更新頑張ってください!!めっちゃ応援してます!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: c6295103af (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» またコメントくださってありがとうございます! 受験なんかに負けず頑張ります! (2020年2月26日 15時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!ゆずさんの紡ぐ物語は読んでいて心地良いです!カッコいいと可愛いを兼ね備える美女は正義ですね(謎理論) 更新頑張ってください!応援してます! (2020年2月26日 8時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - somariさん» ありがとうございます! 更新頑張ります! (2020年2月25日 16時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2020年2月21日 17時

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