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吉原炎上篇/は? ページ10

「女?」




神楽と同じサーモンピンクの髪と青い瞳を持つその男は、私を見て心底驚いた様に、ニコニコした笑顔を忘れるくらい目を見開いていた。


そんなに驚かれると若干悲しいんですけど。




「そ、女」




私は端的に返すと、軽く首と足首を回す。


男を真っ直ぐに見据えて、地面を蹴った。




とんでくる拳や足を防いだり、刀で攻撃したりして、男と戦う。


一撃一撃が速くて重いから、捌くだけで一苦労だ。


でも別に私が押されているワケじゃない。私が押しているワケでもないけど。互角ってやつだ。




私の刀と男の蹴りが、同時に相手の胴に入った。


それぞれ後方に下がって、距離を取る。




「お姉さん、強いね。殺すの勿体ないくらい」


「そりゃどーも」




拳に付いた私の血をペロリと舐めながらニコニコ言われた言葉に、私は疲れを滲ませた声で応える。


私は体力も割と無い方だと自覚している。




「名前なんていうの?」


「……吉田Aだけど」


「Aね、分かった。俺は神威」


「別に知りたくないし」




告げられた名前に興味の無さを隠さず言えば、「酷いな〜」と神威はまたニコニコ言う。


何でコイツいつも笑ってるんだろう。




「うん、決めた」




神威は突然そう呟くと、私を見る。




「Aに選ばせてあげるよ。ここで死ぬか、強い子供を産むか、どっちが良い?」


「…………は?」




何だその二択、と間の抜けた声が出る。




「俺、女と子供はあまり殺したくないんだよね。女は強い子供を産むかもしれないし、子供はこれから強くなるかもしれないだろ。Aは強いから、産む子供もきっと強い。だから選ばせてあげる」




そう言って神威は、またあの二択を出してくる。


ここで死ぬか、強い子供を産むか。




「悪いけど」




私は眉根を寄せてそう言った。




「私はここでアンタに殺されやしないし、子供も産む予定無いから。相手が居ない、てか興味無い」


「そうなの? じゃあ俺の子供産む?」


「…………は?」




何言ってんの? コイツ。




「まあいいや。俺そろそろ行かないと阿伏兎に怒られるから。次会う時までに答え考えておいてね」




そう言い残して神威は、私に背を向けて去っていった。


……何言ってたんだ? アイツ。

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ゆず(プロフ) - %さん» ありがとうございます! カッコいい女の子を目指しているので、そう言っていただけて嬉しいです! (2019年12月20日 0時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!夢主ちゃんが男前な感じがして凄くドキドキさせられてます!更新頑張ってください!応援してます! (2019年12月19日 21時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年12月16日 0時

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