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吉原炎上篇/本当の自由はその先に ページ34

「鳳仙は太陽を何よりも憎み、恐れている。ただでさえ陽を嫌う夜兎。それも何年も陽を浴びていない夜兎が太陽の下にさらされればどうなるか……」




銀時の声に背中を押されて、必死で走ってきた。


未だ戦っているのであろう彼らを残してきた事が気がかりだったけれど、日輪を連れて、必死で。




だけど鳳仙の他にも敵は沢山居た。


日輪は「逃げ切れるもんじゃないね」と苦笑してから、そう語り始めた。


仲間(みんな)と一緒に戦おう、と言って。




「この吉原の築かれた地下は、元は幕府の艦船を製造していた造船所だったんだ。今は見えないが、船を出し入れするハッチが天井に存在する」




思わず上を見上げた。


鉛色の、陽を遮る空。




「管制室へいくんだ。そこへいけば、この鉛色の空をこじ開けられる」




ハッと顔を前に戻して、母の顔を見た。




「そのために母ちゃんを囮にしろってのか。そんなの……」




嫌だ、と。


そう言う前に、日輪が口を開いた。




「……逃げた先に、自由なんてありゃしない。戦わなきゃ」




彼女は目を伏せる。




「檻ん中で戦わなきゃ、檻を蹴破らなきゃ、本当の自由なんて手に入りゃしない」




日輪はそう言うと、真っ直ぐに不安げな表情の晴太を見やった。




「最後まで戦わせとくれ、晴太」




拳をギュッと握る。


母に背を向ける。




「母ちゃん」




そのまま、声を発した。




「今度会う時は、鉄格子なんてないんだから」




思わず俯く。




「思いきり、甘えさせてくれよな」




そうして1人で歩き出した晴太に、「オイ」と声がかけられた。


聞き覚えのある、女の子の声。




「準備はできたか、マザコン野郎」




顔を上げると、そこに居たのは、




「さあ、行こうか」


「吉原に、太陽をとり戻しに」




サーモンピンクの髪の女の子と眼鏡の無い男の子に、自然と笑みがこぼれた。

吉原炎上篇/脆弱な光→←吉原炎上篇/その眼は例えば、



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ゆず(プロフ) - %さん» ありがとうございます! カッコいい女の子を目指しているので、そう言っていただけて嬉しいです! (2019年12月20日 0時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!夢主ちゃんが男前な感じがして凄くドキドキさせられてます!更新頑張ってください!応援してます! (2019年12月19日 21時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年12月16日 0時

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