吉原炎上篇/バカ兄貴 ページ8
「うるせーじーさんにどやされそうだ」
立っていた鉄パイプを破壊すれば、いとも簡単に全員落ちていった。
阿伏兎の言葉に、俺は「大丈夫だよ」と返す。
「鳳仙の旦那は、こんな街より花魁様にご執心だ」
それから足元で蹲る男の子に目を向けた。
「この子を連れていけば機嫌も直る。それに、これ位やらなきゃ死ぬ奴じゃないんでね」
いくら弱いと言ったって、仮にも夜兎で、あの人の娘だ。
「知り合いでもいたか?」男の子をグイッと引っ張りながらの阿伏兎の問いに、俺は「いや」と答えた。
「もう、関係ないや」
一方、その下では。
月詠が投げたロープ付きのクナイによって、全員無事落ちずにいた。
それを掴んでいた月詠の手がズルッと滑り、全員まとめて建物の屋根へと落下する。
「神楽、しっかりしろ、オイ!! 神楽!!」
夜兎の男の攻撃をモロにくらい目を覚まさない神楽に銀時が声をかける。
その声を聞きながら、新八は月詠に目を向けた。
「晴太くんが……アイツら、一体」
「……恐らく奴等、春雨じゃ」
春雨と聞いて新八の脳裏に浮かぶのは、ある騒動だった。
神楽と攫われて、良い思い出なんてあるワケが無い。
「あの宇宙海賊春雨!?」
「吉原の楼主、夜王鳳仙は、春雨で幹部を務めていた男」
あの宇宙最大の犯罪シンジゲートの。
「夜王鳳仙。奴がそう呼ばれているのは、この常夜の国の主であるがためだけではない。光に嫌われた一族。夜を生きる者達。それを統べる者、夜を統べる者」
つまり、鳳仙とは、
「夜兎の王と呼ばれた男」
驚きの声を上げる新八に、月詠が続ける。
「
「あの
新八と月詠の会話を聞いていた銀時がそう零すと、「銀ちゃん」と弱々しい声がした。
うっすらと目を開けた神楽が、口を開く。
「本当にヤバイのは、そいつじゃないネ」
自分と同じサーモンピンクの髪に、青い瞳。
「息子がいるアル。その
聞き覚えのある声。
「私の、バカ兄貴が」
神楽はそれから言った。
「ところでAどこネ」
「「「……あれ?」」」
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ゆず(プロフ) - %さん» ありがとうございます! カッコいい女の子を目指しているので、そう言っていただけて嬉しいです! (2019年12月20日 0時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
% - 続編おめでとうございます!夢主ちゃんが男前な感じがして凄くドキドキさせられてます!更新頑張ってください!応援してます! (2019年12月19日 21時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年12月16日 0時