もろともに

真選組動乱篇／そしてそれから ページ38

数日後。


屯所では、プー助(とっつぁんの愛犬)と山崎の葬式が執り行われていた。




が、誰も真面目に参列などしておらず、電話をしたりジャンプを読んだりヒソヒソ話をしたり。


私も総悟の隣で、ウトウトを必死に堪えていた。


トシが居ないだけで凄いダラけ具合である。




「これ後どんくらい〜？」


「知らねェ。俺ァ寝る」




いいなぁアイマスク、私も買おうかなぁ。


私が１人だけ楽にさせてやるかと総悟の髪をクシャクシャいじっていると、突然ドゴォと爆発音がした。


びっくりして見れば、白装束の山崎が……って、アイツ化けて出てきた！？




皆で慌てふためいていると、「局中法度十二条」とよく聞き慣れた低い声が聞こえてきた。




「マガジン以外の漫画、局内で読む事なかれ。局中法度十七条、会議及び重要な式典の際は携帯の電源を切るべし。局中法度四十五条、死してなお化けて出る事なかれ。武士たる者潔く成仏すべし」




その人影は縁側に立つと、大声で怒鳴る。




「てめーら全員、士道不覚悟で切腹だァァァァァァァァ！！」




バズーカを持ったトシが隊服を着て、そこには立っていた。


戻ってきてくれたんだ……！




「トシぃー！！」


「うお何だテメェ、離せ！」


「やだぁー！」




思わず抱きつくと怒られたけれど、それすら懐かしくて嬉しい。


周りでは隊士達も歓喜の声を上げている。




トシは近藤さんを真選組の魂って言ってたけど、私達にとってはトシもそうなんだよ。


かけがえのない、大切な。




やっと戻れる、前みたいな真選組に。

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