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真選組動乱篇/真相 ページ29

「土方君。君は僕の唯一の理解者だった」




目の前で潰れていくパトカーを見つめながら、伊東が独白する。




「惜しむらくは、僕の器をしり、恐れ、敵に回ってしまったことか。君がもし局長であったなら、僕は反乱など企てなかったかもしれないよ。フフ、あくまで仮説だがね」




いつもの様に、眼鏡を指で押し上げた。


その表情はピクリとも動かない。




「だが君も、1つだけ僕を勘違いしている。君が僕の器をしるように、僕もまた君の器をしるという事を」




カチャと音をさせ、伊東が刀の鯉口を切る。




「土方十四郎」




腰をおとす。


潰れた筈のパトカーが真っ二つに斬られ、中から黒髪の男が現れた。




「決着の時だァァァァ!!」




叫んだその表情は、凶暴にギラギラとしていた。









☆☆☆☆☆









「面白い。面白い音を出すな、おぬし」




銀時に斬られただのゴミとなった自分のバイクには目もくれず、万斉がそう言った。




「でたらめで無作法。気ままでとらえどころのない音はジャズにも通ずるか。いや、それにしては品がない」




土方の様に、幼稚なアニソンでも骨太のロックンロールでもない。


伊東の様に、格調高いクラシックでも凶暴なメタルでもない。




「たとえるなら、酔っ払いの鼻歌でござる」




頭から血を流す銀時の目が細められる。




「てめェ、高杉のトコにいた野郎だな。オイ、人と話す時はヘッドホンをとりなさい。どういう教育うけてんだ、てめっチャラチャラしやがって、近頃の若いモンは」


「…………」


「オイきいてんのか、オイ、バーカ! バーカバーカ」


「坂田銀時。いや……白夜叉。何故おぬしが真選組にいるでござるかバカ」


「てめっ、きこえてんじゃねーかよバカ」




とまあ、それは置いといて。




「あの伊東(おとこ)高杉(てめーら)の息のかかったモンのようだな。真選組の実権握らせて、幕府の間者とするつもりか」


「背信行為を平然とやってのける者を仲間にする程、拙者達は寛容にござらん。また信義に背く者の下に人は集まらぬ事も、拙者達はしっている」




という事は、伊東は、




「哀れな男でござる。己が器量知る時は、もう遅い。全て砕け散った後だ」




遠くの方から、爆発音がした。


丁度、A達の乗る列車がある方。




「眠るがいい、伊東。真選組もろとも」

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(プロフ) - なるほどです!ありがとうございます! (2019年12月17日 18時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 哀さん» すみません! 次巻は用意をしただけで、まだ1ページも書けていないんです。でき次第すぐに公開します (2019年12月17日 16時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
アスミ - パスワード教えて欲しいです! (2019年12月17日 15時) (レス) id: 41e9138099 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして!とても面白かったです!次の作品も読んで見たいのでパスワードを教えて頂けると嬉しいです! (2019年12月16日 16時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» 結構長いのに、2日で読んで下さるなんて…! とても嬉しいです。頑張ります! (2019年12月15日 22時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年11月29日 17時

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