真選組動乱篇/長所と短所は紙一重 ページ18
またその車両に戻った沖田に、刀を構えた隊士達を後ろに従えた伊東が言う。
「沖田君、君はもっと利口な男だと思っていたが。我々全員を1人で片づけるつもりか。近藤を吉田君と共に逃し、1人敵陣に残り討ち死にすることで悲壮美にでもひたろうというのかね。だが、残念だったな」
表情をピクリとも変えずに、
「近藤は僕の計画通り、死ぬ」
外から、大きなエンジン音が聞こえてきた。
「この戦場にいるのは、僕達だけではない」
窓の外に目線を移した沖田が、よく目立つ青い髪に眉根を寄せる。
「……鬼兵隊か」
それからまた伊東に目線を戻すと、笑みを作った。
その余裕は、微塵も崩れる気配が無い。
「ワリーね、伊東さん。実は俺も1人じゃねェ。そろそろ……」
丁度その時。ドォン、と、大きな爆発音がした。
「おー、きたきた」
沖田がやけに楽しそうに呟く。
窓に張り付いた伊東達の目が、大きく見開く。
「バカな……あれは」
ボコボコのパトカーに、4つの人影。
「御用改めであるぅぅぅ!! てめーらァァァ、神妙にお縄につきやがれ!!」
番傘を構える神楽、バズーカを構える銀時、必死の様子でハンドルを回す新八に、
「ひっ……土方ァァァァァ!!」
「なっ……何故奴がこんな所に……」
凛々しい眼差しで紫煙を吐き出す、土方。
伊東が驚きに目を見張った、その時だった。
クールに前を見つめていた土方の顔に木の枝が直撃して、
「いってェェェェェ!! いってェェェェ!!」
「てめェェェェ! 少しの間位カッコつけてられねーのか!!」
……土方ではなくトッシーだったらしい。
「仲間の士気を高めるためには、副長健在の姿を見せつけねーとダメだっつーんだよ!!」
「無理!! 僕には無理だよっ!! 怖い!!」
「ふざけんなァ!! 人を殴る時だけ復活してスグ元に戻りやがってェェ!!」
何やら言い合っている銀時と土方に、沖田がチッと舌打ちをもらした。
「目障りなのがゾロゾロと」
だけど。沖田は、ニヤリと笑った。
「奴等潰すには、軍隊1個あっても足らねーぜ」
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哀(プロフ) - なるほどです!ありがとうございます! (2019年12月17日 18時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 哀さん» すみません! 次巻は用意をしただけで、まだ1ページも書けていないんです。でき次第すぐに公開します (2019年12月17日 16時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
アスミ - パスワード教えて欲しいです! (2019年12月17日 15時) (レス) id: 41e9138099 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - はじめまして!とても面白かったです!次の作品も読んで見たいのでパスワードを教えて頂けると嬉しいです! (2019年12月16日 16時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» 結構長いのに、2日で読んで下さるなんて…! とても嬉しいです。頑張ります! (2019年12月15日 22時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年11月29日 17時