あらざらむ (ページ41)

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ウザいページ41

「告白されたァ！？」

「うん。もち断ったけど」

見廻りから帰った後、遅いと怒ってきたトシに彼ならまあ良いかと正直に理由を言えば、そんな反応を返された。

ちょっと失礼じゃない？

「でもさあ、その後もしつこくて……結局私が全力疾走して撒くまでついて来たし」

「……ストーカーか？」

「さあ。でも警察にストーカーなんてする？すぐ御用だよ」

私が笑いながら言うと、トシは不燃焼といった顔をしながらも、「当事者(おまえ)が言うならいいけどよ」と引き下がる。

「うんうん。大丈夫でしょ。もしまたやってきたら言うね」

「おう」

ここで「自分で解決しろ」とか言わないのがトシの優しいところである。

総悟なら絶対言ってる。

☆☆☆☆☆

「付き合って下さい！」

……マジかよ。

私が屯所を出て早々に言ってきたその男に、私は顔をヒクッと引攣らせる。

チッと大きく舌打ちをした後無言で歩き出すと、例のごとくついて来やがった。

「何でもします！」だの「絶対幸せにします！」だのとずっと後ろで言っている男に、私のイライラゲージはドンドン溜まる。

三日月の髪留めに触って少し落ち着いたけれど、原因がずっとついて来ているのだから焼け石に水だ。

道の端に立ち止まって、軽く屈伸をし、アキレス腱を伸ばす。

何回目かの「付き合って下さい！」を言っている男をチラッと見、目が合って顔を赤くする男にとびきりの笑顔を見せる。

「ウザい」

それだけ吐き捨てると、私は昨日のように走り出した。