裏表 ページ5
「身体なら大丈夫。そーちゃんの毎月の仕送りのおかげで、治療も万全だもの。それよりも、そーちゃん達こそ大丈夫なの?」
ミツバ姉は大きなその瞳に心配そうな色を浮かべる。
「ちゃんと3食ごはん食べてる?」
「食べてる」
「食べてます」
「忙しくても睡眠ちゃんととってるの?」
「とってるよ」
「羊を数える暇もないですよ」
本当は私も総悟も慌てて準備したから朝ご飯食べてないし、昨日総悟はかなりソワソワしてたからちゃんと寝れてない筈だ(今朝のトシの怒鳴り声は、きっと総悟が寝ようとして羊じゃなくトシの死体でも数えてたからだと思う)。
だけどミツバ姉にそんな事言えるワケがない。心配かけたくないし。
「みなさんとは仲良くやっているの? いじめられたりしてない?」
「うーん、たまに嫌な奴もいるけど…….」
「僕らくじけませんよ」
私と総悟が共謀して撃ったさっきのバズーカによってアフロヘアになった山崎と、そんな心配のないスキンヘッドの原田からの視線を感じる。
自業自得だろ、私と総悟はくっつけちゃいけないコンビだって銀ちゃんをして言われるんだからな。
「じゃあ、お友達は? あなた達昔から年上ばかりに囲まれて、お互いくらいしか友達らしい友達もいないじゃない。悩みの相談ができる親友はいるの?」
「いるよ! 少し年下なんだけど」
「そう。良かったわ。Aちゃん昔から、年下は苦手なのに。そーちゃんは?」
「…………」
私は神楽が居たから良いけど、総悟はそんな人居なかった気がする。
ミツバ姉に心配だけはかけんなよという目線で見ていれば、総悟は真っ直ぐな視線のミツバ姉から逃れる様に彷徨わせていた目を急に輝かせて、
「おお! 坂田くんじゃないか!」
……え?
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年11月11日 17時