似てる ページ11
心底申し訳なさそうなその表情に、銀時ははぁっと溜息をつく。
頭を掻きながら口を開いた。
「アイツがちゃんとしてるかって? してるわけないでしょ、んなもん。仕事サボるわSに目覚めるわ、不祥事起こすわSに目覚めるわ。ロクなもんじゃねーよ、あのクソガキ。一体どういう教育したんですか」
ミツバの心配は、大方的中しているだろうけれど。
1つだけ、訂正を入れておく。
「友達くらい選ばなきゃいけねーよ。俺みたいなのとつき合ってたら、ロクな事にならねーぜ、おたくの子」
そう言うと、何がおかしかったのか、ミツバは品良くクスクス笑う。
「……おかしな人。でも、どうりであの子がなつくはずだわ。なんとなく、あの人に似てるもの」
「あ?」
また出てきた、爐△凌有瓠
先程の会話でそれが誰なのか何となく察しがついているから、似てると言われて思わず顔を顰めた。
それで、言おうと思っていた言葉が消えてしまう。
その時、キキーッと音を立てて、すぐ近くにパトカーが止まった。
「オイ。てめーら、そこで何やってる?」
その声には2人共酷く聞き覚えがあったし、誰のものなのか考えるまでもなく分かった。
だって、ついさっき思い浮かべていた人だから。
「この屋敷の……」
何かを言いかけた土方の目がミツバにとまった途端、見開かれる。
2人の間に流れた沈黙を破ったのはミツバだった。
「と……十四郎さ……」
ゲホッ、ゴホッ。
言いかけた名前を搔き消す様にミツバの口から咳が出る。
そしてそのまま、倒れてしまった。
「しっかりしろ!! オイ!」
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年11月11日 17時