届かない ページ19
星海坊主が、神楽の言葉に何も言えずにいた時。
「おいィィィ！！ あぶないィィ！！ 上！！ 上！！」
その言葉でハッとして上を見上げれば、えいりあんの口が襲いかかってくるところだった。
星海坊主が咄嗟に神楽を庇って、左腕を食い千切られる。
その拍子に彼は神楽から離れてしまった。
そしてえいりあんは、倒れて動けない神楽を掴み取り、上へと攫って行ってしまう。
あんな所まで上がられては、私でも届かない。
神楽がえいりあんの口へ持っていかれそうになったその時、その口を突き破って何かが出てきた。
大きな白犬と、その上に乗るのは……銀ちゃん。
「神楽ァァァァァ！！」
そう叫んで彼は神楽に手を伸ばす。
神楽も伸ばし返した、けれど。
２人の手は届かず、銀ちゃんはどんどん下へと落ちてきてしまった。
が、そんな事で諦める銀ちゃんじゃない。
定春から跳ぶと、近くにあるえいりあんの身体に掴まった。
「こんのミミズ野郎ォ！！ そいつを離せェェ！！ 小便かけんぞォ！！ 甘ーい小便かけんぞ！」
その言葉に苦笑いが漏れる。
地面を蹴って、銀ちゃんが掴まっている所に星海坊主と同時に刀をぶっ刺した。
「何で銀ちゃん口から口へ移動してきたの？ 消化されなかった、大丈夫？」
「消化されてたらここに居ねェだろ。つか何でお前ここに居んの？」
「そりゃこっちの台詞だ。今さら何をしに来やがった、若造。どのツラさげてここに来れたんだ、てめーは？」
「祭り事が好きでねェ。家事と喧嘩とえいりあんは江戸の華ってな。しらねーかィ？」
喧嘩腰の２人に呆れていると、私達が掴まっているここがいよいよ暴れてくる。
カゼがどうちゃらとかマイナスドライバーがどうちゃらとか言っているうちに、随分高い所まで運ばれてきた。
そして、気付いた時には。
「「「うおわァァァァァ！！」」」
いくつもの口に、一斉に襲いかかられるところだった。
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ゆず(プロフ) - fubukiさん» ありがとうございます！ これからもよろしくお願いします！ (2021年2月22日 22時) (
レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
fubuki(プロフ) - 題名が覚えている百人一首の句なのでとても嬉しくなりました!面白いです。 (2021年2月22日 21時) (レス) id: 8d00889b6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - グリみいさん» ありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです。更新頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年9月4日 18時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
グリみい - 感動して泣けました！！凄くこのシリーズが大好きです！！応援してます！ (2019年9月3日 22時) (レス) id: 460e4835e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2019年8月18日 10時
