御託 ページ17
「オイッ、この傘……!」
VIPがどうとか、もう気にしていられなかった。
私はバカ皇子の胸ぐらを掴む。
持ち主の居ないそれに、否が応でも不安が募った。
私の急な行動に驚いた星海坊主はこちらを見て、それで彼も番傘に気付いたらしい。
「神楽を見たのか!! 見ただろ、俺とそっくりな目のクリッとしたカワイイチャイナ娘!!」
「サーモンピンクの髪の綺麗な女の子!!」
私達がそう問い詰めても、彼等は真っ青になって慌てるだけだ。
「あわわわ、わしゃしらん。わしゃしらんぞ、わしゃ悪くない。皇子が悪いんだ、こんな化け物コレクションしようとするから」
「なっ、何を言う。それを言うならえいりあんの死亡を確認しなかった入管の連中が……」
ドゴォン、という音が2回した。
苛立った私と星海坊主が、2人の顔スレスレの壁を殴った音である。
「俺とそっくりな気品のある顔立ちのチャイナ娘なんだけどさ〜、しらない?」
「しってる、アンタとそっくりなカワイイ女の子! どこかの星の王女様ですか? アレはホントッカワイイ珠のような女の子……」
「それを言えっていってんの。頼むよ、今時の若い子って短気だから」
ペラペラと並べられる御託にイラッときて私が言うと、バカ皇子が少し奥の方を指差した。
「あ……あっち」
「でも……もう……わしらを助けて、化け物に……」
そこに居たのは、
「もう……死んでるよ……」
お腹から大量の血を流して倒れる、神楽だった。
111人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - fubukiさん» ありがとうございます! これからもよろしくお願いします! (2021年2月22日 22時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
fubuki(プロフ) - 題名が覚えている百人一首の句なのでとても嬉しくなりました!面白いです。 (2021年2月22日 21時) (レス) id: 8d00889b6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - グリみいさん» ありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです。更新頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年9月4日 18時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
グリみい - 感動して泣けました!!凄くこのシリーズが大好きです!!応援してます! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 460e4835e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず | 作成日時:2019年8月18日 10時