祭り当日 ページ42
そんなこんなで祭り当日。
早くも総悟が行方不明になった。
「トシ、A、総悟の奴がウンコしに行くっつったきり全然戻らんのだが」
「あの野郎またどっかでサボってやがるな」
「羨ましい!」
「2人共、他の誰を疑おうとかまわんが、仲間を疑うことは俺が許さん。俺は総悟を信じる。きっとウンコのキレがものスゴく悪いんだ。俺はそう信じたい!」
「そんな信じ方される位なら疑われた方がマシだと思うがな……」
トシに同感である。
っていうか、信じる信じない以前にサボってるのは明白だし。
どーせどっかの店冷やかして遊んでるんだろう。
「それより山崎の野郎おせーな」
「山崎がどーかしたの?」
「いや……たこ焼きが食いてーってお上がよォ。……ったく、呑気なモンだぜ」
と、そんな事を話していれば。
「副長ォォ、山崎、ただいま帰りました!」
猛スピードで山崎が走ってきた。
「おせーぞ!! マヨネーズもちゃんと付けてもらったろーな!」
山崎からたこ焼きを受け取ったトシが、その箱を開くと。
「……オイ、これ…………」
たこ焼きは3つしか残っておらず、しかもぐちゃぐちゃだった。
「食べたろ、お前絶対食べたろ」
「いや、違うんですよAさん、実は急いでたもんで途中すっ転んでぶちまけちまいました。すみません、山崎退一生の不覚」
「そーか、俺は口元の青のりの方が一生の不覚だと思うがな」
「ふっ、副長ォォ、これは違います、途中で食ったお好み焼きの青のりです!!」
「どっちでもいいわっ! オイどーするよ……って食ってる!?」
トシが山崎を叱っている間に、近藤さんは件のたこ焼きを食べていた。
……良いのか、将軍様用のだろ、それ。
呆れながら眺めていると、近藤さんが私の耳元に口を寄せてきた。
「A、折角そんな浴衣を着ているんだから、遊んできたらどうだ。ここ暫く非番も無かったしな」
私は自分の格好を見下ろす。
松平のとっつぁんが今日の為にくれた、夜空を描いた浴衣。
動きやすい着物の好きな私の為にスリットまで入れてくれた特注品らしく、折角だからと着てきていた。
「……良いの?」
「ああ」
近藤さんが良いって言ってくれたんだ、大丈夫だろう。
多少気がかりはあるけれど、楽しむか。
私は足元に居た太陽を肩に乗せて、人で賑わう方へと足を進めた。
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ゆず - 亜水さん» 総悟のSが初めて発揮された回。私結構お気に入りです。 (2019年7月16日 20時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 本当だぁ!更新するの早いですね!凄い!あのカエルアニメで観たときマジで苛ついた!総悟あのまま首はねちゃえばいいのにって正直思いました。でもまあ最終的には焼かれてたんで良かったです♪ (2019年7月16日 20時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 亜水さん» ありがとうございます!このシリーズを更新するのは私自身楽しいので、ドンドンしていけたらと思います。 (2019年7月15日 22時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 桂優しいな〜再開場面、感動しました! (2019年7月15日 11時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - めっちゃ面白いです!読みやすかったです!更新頑張って下さいね次も観させていただきますので、よろしくお願いいたします! (2019年7月14日 17時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年7月10日 22時