君がため

叩いてかぶってジャンケンポン・１戦目 ページ33

「姉上、無理しないでください」なんて新八の声が聞こえて、お妙は彼の姉だったのかと少し驚いた。


だって、似ていない。


誰もが認める美人なお妙と、誰もが認めるＴＨＥ・平凡な新八じゃ。




眼鏡を外したらイケメンだっていうオチだろうか、なんて考えていると、１戦目が始まっていた。




近藤さんがグー、お妙がパー。


ジャンケンに負けた近藤さんは、叩かれる前にヘルメットを被ればセーフ……の、筈だった。




「セーフじゃない！！ 逃げろ、近藤さん！！」


「え？」




見れば、お妙がピコピコハンマーを振り上げながら、「天魔外道皆仏性死魔三障成道来魔界仏界同如理一相平等……」と怪しげなお経を唱えている。




「ちょっ……お妙さん？ コレ……もうヘルメットかぶってるから……ちょっと？」




ドゴ！！ と、ピコピコハンマーにあるまじき威力によって、近藤さんの被っていたヘルメットが粉砕される。


近藤さんは鼻血を出して気絶した。




……ルール関係ねーじゃん。




「局長ォォォォォォォ」


「てめェ何しやがんだクソ女(アマ)ァァ！！」




隊士達が抗議をする、が。




「あ゛〜、やんのかコラ」


「「「「「すんませんでした」」」」」




鬼の様な迫力に、審判以外の全員で土下座をしてしまう。


だけど別に銀ちゃん達はする必要無いんじゃないか？




「新八君、君も大変だね……」


「もう慣れましたよ」


「えーと、局長が戦闘不能になったので、１戦目は無効試合とさせていただきます」




お妙パネェ。

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