淡々と ページ26
「……それで? 俺に聞きてェ事って?」
私の自己紹介がひと段落ついた辺りで、銀ちゃんがそう訊いてきた。
「ああ。……ちょっとごめんね、2人は別の所行ってもらって良いかな?」
眼鏡の男の子、新八と、サーモンピンクの髪の少女、神楽に私はそう言った。
あまり人に聞かれたくないからだ。
2人は不思議そうな顔をしたものの、大人しく別の部屋へ移ってくれた。
私は小さく、「ふ〜」っと息をつく。
初対面、特に歳下はやっぱり少し苦手だ。
幼い頃から歳上ばかりに囲まれていたからだろう。
それから、真っ直ぐに銀ちゃんを見た。
銀ちゃんも、これから問われる事がなんとなく分かっているんだろう。
珍しく真面目な顔をしていた。
「……訊きたい事はいくつかあるんだけど、まず1つ目。松陽先生はどうしたの?」
銀ちゃん達は、先生を救う為に戦争に参加した筈だ。
なのに先生の話は銀ちゃんからもこた君からも全く聞かない。
しかも『あの』お兄が攘夷志士になっている。
目的がきちんと達成されたならば、そんな事にはならなかった筈だ。
銀ちゃんはどこか遠くを見つめて、口を開いた。
「俺が斬った」
それはもう、淡々と。
我が国の現将軍は徳川茂々ですと、誰でも分かる至極当然の事を述べるように。
「は……?」
そんな意味を成さない文字が私の口から漏れる。
ガタンと、無意識のうちに立ち上がっていた。
「……どういう事?」
いくら銀ちゃんだって、あの人の話で冗談を言うワケが無い。
つまりは『銀ちゃんが斬った』というのは事実だって事だ。
でも、信じられなかった。
あんなに先生の事を慕っていた銀ちゃんが、斬るだなんて。
「何があったの?」
何かがあったんだ、絶対に。
でなきゃそんな事を銀ちゃんがする筈無い。
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ゆず - 亜水さん» 総悟のSが初めて発揮された回。私結構お気に入りです。 (2019年7月16日 20時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 本当だぁ!更新するの早いですね!凄い!あのカエルアニメで観たときマジで苛ついた!総悟あのまま首はねちゃえばいいのにって正直思いました。でもまあ最終的には焼かれてたんで良かったです♪ (2019年7月16日 20時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 亜水さん» ありがとうございます!このシリーズを更新するのは私自身楽しいので、ドンドンしていけたらと思います。 (2019年7月15日 22時) (レス) id: e9f8937968 (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - 桂優しいな〜再開場面、感動しました! (2019年7月15日 11時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
亜水 - めっちゃ面白いです!読みやすかったです!更新頑張って下さいね次も観させていただきますので、よろしくお願いいたします! (2019年7月14日 17時) (レス) id: 9d2ec575ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年7月10日 22時