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始まり ページ17

時は流れ、2年後______。




「なあ」


「うん?」




道場の近くの神社。


そこで私と総悟は、ポツリポツリと言葉を交わしながら、大人達を待っていた。




周りに木が沢山生えているお陰で、陽の光が当たらない。


涼むのには丁度良かった。




私の肩には太陽が乗っていて、時折頰を舐めてくる。


くすぐったくて、私は肩から下ろして抱いた。




「お前、親に会いたいとか思った事あるか?」


「何、感傷に浸ってんの?」


「そんなんじゃねェよ」


「そーかそーか、流石の総悟も不安なのか。なにせ生まれて初めて姉上と離れるんだもんね」


「そんなんじゃねェって言ってんだろぶっ殺すぞ」




ガチで睨まれたので、私はニヤけた顔を元に戻す。


「親か、」と呟いて、真っ青な空を見上げた。




「10年位前は、よく思ってた気がする」


「今は?」


「思わないかな」


「何で」


「私には、家族が出来たから」




先生もお兄も銀ちゃんもこた君もお姉ちゃんも。総悟もトシも近藤さんもミツバ姉も。


皆、私の大事な家族だ。




「へぇ」


「総悟は思ったりするの?」




確か総悟は、小さい時に亡くして、それからずっとミツバ姉と2人だった筈だ。




「思うワケねェだろ」


「何で」


「姉上が居れば充分だ」


「シスコン」


「うるせぇ」




否定しない総悟を笑っていると、近藤さん達が歩いて来るのが見えた。


挨拶や何やらが終わったらしい。




「行くか」



「うん」




小さくまとめた荷物を持って、立ち上がる。




目指すは江戸。


立派な侍になる為に。

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年6月18日 22時

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