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太陽 ページ13

「……で?」


「うん?」


「その猫、名前どうすんだよ」




翌日。


すっかり雨は上がって、空は真っ青に晴れていた。




昨日拾った猫を飼う許可を貰った私が、そこらに生えていた猫じゃらしを取ってきて一緒に遊んでいると、総悟が側にしゃがみ込んで訊いてきた。


名前、か。




「……全く考えてなかった」


「お前馬鹿だろ」




うぐっ、と言葉に詰まる。


確かに、急とはいえ飼っている動物に名前を付けるのを忘れるとは、馬鹿としか言いようがない気がする。


言い返したいけど言い返せない。




「う〜ん……どうしよっかなぁ」


「サド丸1号」


「……総悟何言ってんの?」




今度は私が冷たい目で見る番だ。


何だよ1号って。ロボットじゃないんだから。


てかそれ以前にサド丸って。




「じゃあ、もう良いんじゃね? Aで」


「何で飼い猫に自分の名前付けなきゃなんないの」


「似てるから」




似てるか?


まあ確かに、私もコイツも髪(猫にとっては毛)は黒だし、目は黄色だし……。




「カラーリングだけじゃなくて?」


「雰囲気とかも。まあコッチの方が可愛いけどな」


「私は可愛くないって? 失礼」




まあ総悟の失礼は今日始まった事じゃない。


諦めるが吉だ。




気を取り直して、猫の名前を真剣に考える。


すると、ある1つのワードが、頭に浮かんできた。




「……太陽」


「太陽? コイツの名前?」


「うん」


「どっちかって言うと月じゃん」


「良いの、太陽で」


「へぇ」




不思議そうにしながら、総悟が子猫……太陽に、手を伸ばす。




「じゃ、これからよろしくな、太陽」


「それ飼い主(わたし)の台詞!」

猫2匹→←猫



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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年6月18日 22時

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