瀬をはやみ (ページ23)

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地面を砕く素振りページ23

「剣抜けェェェェ！！上等だ、その素振りの成果見せてみやがれェ！！」

「やらんと言ったろ、魔神英雄伝ワタルとやら」

「マウンテン殺鬼だ」

「悪いがこれでも俺も芋流派の大将だ。それなりの自負ってもんがある。大将に全員ひれ伏せさせる強さなんていらねェ。仲間１人護れる強さがありゃ充分だ」

おお、なんかカッコいい事言ってる。

「仲間を殴ったお前より１発も殴り返せずのびてる奴の方が向いてるぜ、トコロテン渡」

「マウンテン殺鬼だ！！」

「さあ稽古開始だ」

律儀に訂正するモヒカン野郎との話を打ち切って、近藤さんが素振りを再開する。

だが向こうはかなりキレやすいタチらしい。

「……そうかよ、大将。それじゃてめェは、仲間(オレたち)にタコ殴りにされても素振りでもしてなァ！！」

一斉に刀を振り上げて襲ってくる。

だけど近藤さんは動じず、一言。

「やめとけ」

その言葉を合図に、かなりイライラの溜まっていた総悟、トシ、私は、木刀を思い切り地面に振り下ろす。

それによって地面が割れた。

「我が芋流派の素振りは、人も殺せるぜ」

そう言って、近藤さんは木刀をモヒカン野郎の頭にコツンと置く。

「稽古ならいくらでもつき合うが、やるか？マウンテン殺鬼」

「い……い……いえ、マウンテン殺鬼じゃありません。山崎退です、よろしくお願いいたします」

うっわ、コイツビビり過ぎて漏らしてやがる。