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3つの手紙 ページ36

松陽の言葉を最後まで聞かずに出て行ったAと銀時が、暫くして戻ってきた。


最後に会えたのかどうかは分からないが沈んでいて、それだけ笠井の存在は大きかったんだろうなと思う。


まあ確かに、今日の松下村塾は少し静かだ。




「A、銀時、大丈夫か」




心配になって声をかけるも、Aは大丈夫じゃなさそうな顔で薄く笑って頷き、銀時はそもそも無反応。


皆が心配そうに見つめる中で、それぞれの自室へ引っ込んで行った。





それにしても、Aはともかく、銀時まであんなにショックを受けているとは驚きである。


笠井が銀時を好きな事は知っていたが、もしかしたら銀時の方も笠井を好きだったのだろうか。




気持ちを中々表に出さない友人に苦笑いしていると、どこかへ行っていた先生が戻ってきた。


手には何枚かの紙切れを持っている。




「四葉さんの母親から頂いたのですが……Aと銀時は部屋ですか?」


「はい。それは……?」


「四葉さんからの手紙だそうです。Aと銀時にだけ、個別で書かれていました」




笠井にとっても、あの2人はやっぱり特別だったらしい。


先生が行くより自分が届けた方が気楽だろうと、小太郎は2枚を受け取って、まず銀時の部屋へ向かう。






部屋の壁に寄りかかりながら座っている銀時は、ただぼーっとしていた。


小太郎が入って来たのに気付くと、目線を合わせずに「何だ」と訊いてくる。




「笠井からの手紙だそうだ」と渡すと、少し目を見開いて、バッと引ったくる様に獲られる。


1人の方が読みやすいだろうと銀時の部屋から出、Aの元へ向かった。






Aは、部屋の隅で膝を抱えて蹲っていた。


「うっ……うぐっ……ひぐっ……うぅ〜」と微かに聞こえてくる泣き声に少し躊躇うも、静かにAの元へ歩み寄り、肩に手を置いた。




「A。笠井がお前に手紙を置いて行っていたそうだ」




「え……?」と、Aは濡れた瞳をそのままに顔を上げる。


ゆっくり手を伸ばして手紙を受け取り、封を少し乱暴に開けた。




小太郎が部屋を出た直後に、ハッキリとした泣き声が中から聞こえてくる。




この手紙で立ち直ってくれれば良いのだがと、そっと息をついた。

ごめんなさいとありがとうと、→←待ってろ



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ゆず(プロフ) - 緋澄さん» 1話目ができ次第、公開させていただくつもりです (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 時雨さん» 申し訳ありません、実は、続編は準備しただけでまだ1話も書いていないんです・・・! (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
緋澄 - 続編を読みたいのでパスワードを教えて下さい (2019年6月19日 14時) (レス) id: d02144b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 続編が、読みたいのでパスワードを教えてください。 (2019年6月18日 23時) (レス) id: bfac637d1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年4月5日 20時

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