男 ページ19
何着か着物を買ってもらって、ラストは姉達が寄りたがっていた雑貨屋。
特に欲しい物も無かったので、四葉について回る。
30分しないで全員の買い物が終わり、晋助達と合流すべくもと居た店へ戻ろう……と、した。
それが実行出来なかったのは、ガラの悪そうな数人の男に、行く手を阻まれたからだ。
「…………」
四葉はAの手を引きながら、その横を通り過ぎようとする。
しかし、わざわざ男の1人が四葉の前に立ち塞がって、下品な笑みを浮かべて口を開く。
「オネーサン達、暇?ちょっと俺等に付き合ってよ」
「…………」
四葉は完全にスルーした。
表情1つ変えず、前に進もうとする。
「素っ気無いなァ。ちょっとって言ってるじゃん、ね?」
ニヤニヤ笑いながら腕を掴もうとしてくる男の手を、ピシャリと四葉は払う。
途端、笑みを引っ込めた男が声を荒げた。
「この女、俺が下手に出てりゃ……! おいお前等、連れてくぞ!」
その声で、今まで後ろに控えて品定めする様な視線を送ってきていた男達が、姉達を無理矢理引っ張って、どこかへ連れて行こうとする。
当然四葉も強引に腕を掴まれ、その拍子にAと手が離れてしまう。
一瞬目が合った四葉の顔は、男に絡まれても1つも感情を映さなかったクセに、今だって怖いクセに、小さな笑顔だった。
私達は大丈夫、だからAちゃんは行って?
そんな声が聞こえてきた気がして、でもAは行かなかった。
四葉の腕を掴む男に必死で縋り付いて、なんとか四葉から引き剥がそうとする。
その時だった。
「おいおい、嫌がる女連れてこーとしてんじゃねェよ」
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ゆず(プロフ) - 緋澄さん» 1話目ができ次第、公開させていただくつもりです (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 時雨さん» 申し訳ありません、実は、続編は準備しただけでまだ1話も書いていないんです・・・! (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
緋澄 - 続編を読みたいのでパスワードを教えて下さい (2019年6月19日 14時) (レス) id: d02144b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 続編が、読みたいのでパスワードを教えてください。 (2019年6月18日 23時) (レス) id: bfac637d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年4月5日 20時