花火、ヨーヨー、恋心(yb×ar) ページ21
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※後味悪いと思われ。流血表現あり。
薮くんもありさんも病み気味。
自己責任でお願いします。
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「綺麗なものは壊したくなる…薮くんだってそうでしょ?」
俺がそう言った時…
薮くんはぶんぶんと首を振って否定した。
「俺は、…違う」
俺が割った、オレンジのヨーヨー。中から水が飛び散って、ぱしゃん…
じわじわと広がっていく水溜り。
薮くんは、苦々しい顔でそれをみていた…
俺たちは、施設で育った。
親が事故で亡くなったり、訳あって育てられず引き取られた子がほとんどだ、そう聞いていた。
表向きは、そうだった。
その中で、俺と薮くんは、特に仲が良かった。3つ違いで年も近かったし、年長組ということでほかの小さい子の世話を任されていた。
薮くんは本当のお兄ちゃんみたいに俺に勉強やサッカーを教えてくれて、みんなが口を揃えて、本当の兄弟みたいだ、と言った。
「おかえり、薮くん」
みんなみたいに、宏太、とは呼ばなかった。
そんな家族みたいな真似事はしたくなかった。
みんなは俺が薮くん、と呼ぶことには困った顔をしたけれど、
兄弟みたいに仲が良いのは知っていたから、何も言ってくることはなかった。
俺は、薮くんが好きだった。
友達としてでも、兄としてでもない。
ただ、薮宏太その人が好きで好きで、恋い焦がれていた。
いつのまにか火を灯されて、
いつのまにか手に持っていた。
恋心という、花火。
「ただいま、大ちゃん。
これ、なーんだ」
薮くんの手のひらに収まっていたのは…
オレンジ色のヨーヨー。
白、赤、青の水玉があちらこちらに。アンバランスさが、むしろ綺麗だった。
「うわっきれい!」
「はは、気に入った?学校の帰り道に露店が出てたから。やるよ、それ」
「え…いいの?」
「大ちゃんっぽいな、と思ったから、取ってきたんだ」
「ありがとう!」
俺は、満面の笑みでそれを受け取った。
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まや(プロフ) - ちちちさん» ちちちさん、コメントありがとうございます!よくしろくまさんのページでお見かけしていますちちちさんですよね?|´-`*)遊びにきていただけてたなんて嬉しいですっ! (2019年4月27日 20時) (レス) id: b929bba7e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちちち(プロフ) - ときめきと切なさと背徳感にキュンとしました!最後のゆとひかのゆーとの色気ったら! (2019年4月26日 19時) (レス) id: 666edffd2b (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - しろくまさん» 大好きなしろくまさんにきゅんとしていただけたなら幸せですっ(´∩ω∩`*)ありがとうございます! (2019年4月26日 1時) (レス) id: b929bba7e5 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - まや様、Twitterのやぶひかお話しを上げて下り、ありがとうございます。改めて読ませていただいて、きゅーん(//∇//)やっぱりまや様の学園物は鉄板ですね…!! (2019年4月25日 8時) (レス) id: f22c03c885 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - ねね子さん» 来て下さってありがとうございます(*´˘`*)どうも薮くん病み気味です(笑)ねね子さんに褒められるなんて嬉しすぎます〜(//∇//) (2018年9月30日 22時) (レス) id: 66cf309f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まや | 作者ホームページ:http://ma-no homepage
作成日時:2018年6月5日 21時