検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:45,371 hit

ページ22

そして、その夜。

みんなが寝た後、リビングで。



それに、シャキンと鋏をいれて

ぱしゃん、水が弾けた。



「大ちゃん…なんで」


薮くんに見られて、困るとかいう感情はなかった。

もう、小さい子供じゃない。
ヨーヨーに鋏をいれたらどうなるかなんて、知ってる。ただの好奇心なんかじゃない。


「だって、綺麗なんだもん。

綺麗なものは壊したくなる。薮くんも、そうでしょ?」


俺は、残りの萎んだ風船みたいなところも、
シャキン、シャキンと小さく小さく、丁寧に切り刻んだ。


「俺は、違う…」



俺たちは、一緒に花壇を踏み荒らした。
綺麗に掃除した部屋を、泥だらけにして笑った。




「何が違うんだよ。

俺も薮くんも、一緒だよ。

綺麗なもの、好きなものを切り刻んで、汚して、そうして、やっと気持ちよく…」


「やめろ!」


薮くんは、ふらふらと部屋に戻っていった。




それから、


俺たちは、口をきかなくなった。



薮くんが俺のことをわかってくれないことが悔しかったし、悲しかった。



俺たちは似てると思ってたのは、俺だけだったのかな。



俺たちは、ちょっとおかしな子供。
だからここで、無意味なカウンセリングとやらを受けながら暮らしてるっていうのに。

・→←花火、ヨーヨー、恋心(yb×ar)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (121 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
299人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まや(プロフ) - ちちちさん» ちちちさん、コメントありがとうございます!よくしろくまさんのページでお見かけしていますちちちさんですよね?|´-`*)遊びにきていただけてたなんて嬉しいですっ! (2019年4月27日 20時) (レス) id: b929bba7e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちちち(プロフ) - ときめきと切なさと背徳感にキュンとしました!最後のゆとひかのゆーとの色気ったら! (2019年4月26日 19時) (レス) id: 666edffd2b (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - しろくまさん» 大好きなしろくまさんにきゅんとしていただけたなら幸せですっ(´∩ω∩`*)ありがとうございます! (2019年4月26日 1時) (レス) id: b929bba7e5 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - まや様、Twitterのやぶひかお話しを上げて下り、ありがとうございます。改めて読ませていただいて、きゅーん(//∇//)やっぱりまや様の学園物は鉄板ですね…!! (2019年4月25日 8時) (レス) id: f22c03c885 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - ねね子さん» 来て下さってありがとうございます(*´˘`*)どうも薮くん病み気味です(笑)ねね子さんに褒められるなんて嬉しすぎます〜(//∇//) (2018年9月30日 22時) (レス) id: 66cf309f23 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まや | 作者ホームページ:http://ma-no homepage  
作成日時:2018年6月5日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。