異食癖【スカラビア寮】

◇ ページ29

断れない。

でもそう言ったらさっきの先輩たちとの約束まで守れなくなる。



『カリム先輩、僕はさっきあちらの先輩方と、
もう予約が...』

四人組のあの人たちの方向に指をさす。



「いいぞ？おーい、お前たちも来いよ！一緒に食べようぜ」

カリムは向こうに手招きをする


「「ああいいぞ！寮長と副寮長もいるんだしもっと楽しそうな食事になるな」」





そういう手があったか。
思い付かなかった。私はバカなのか


これで両方から予約が入っても解決出来るね。









彼の隣に座り、

先輩たちも私の横に腰をかけた。




もう
皆は食べ始めている。


私も食べていいのだろう


『頂きます』
両手を合わせて食べ物に感謝を込めて....



ありがとう


って心の中で呟いた。








『って何か食べよう...、皆美味しそうで迷ってしまうなぁ』




すると目の前に差し出されるお碗

「A、これ食べてみろよ！」

カリムからのオススメらしい

え、こんな私にそうしてくれて良かったの？
めちゃくちゃ嬉しいよ？
召天しちゃうよ？(←コラ


？「おお、これも旨いから！」

隣の先輩たちも色々皿とかにご飯乗せて渡してくる。


あれだ、机、広くて大きいから遠くまで私の短い腕で届かないんだ(おかずとかを取るの)。


　





「...A、


　これもどうだ？」



斜め右に座っているジャミルも私におかずを乗っけた皿を渡してくる。








『ありがとうございます..っ！』






待ってください？


私、ひょっとして皆から子供扱いされていないか？

面倒見過ぎん？




いや、嬉しいんだよ私、凄く嬉しい。

本当に幸せです(←語彙力がない







スプーンで料理を掬って口の中に運んでみる






口に入れた瞬間に、

私の目頭が熱くなっていく。









美味しい...！！！


今まで私こんなに美味しい料理食べたことがない。お母さんだって、料理出来なかったんだ。
毎日仕事で朝から夜まで居なかったのをふと思い出した。





涙がまた出てきそう。(←もう出ています

私はボロボロ涙を流しながら口一杯に美味しい晩御飯を頬張った。









嗚呼、心の中は暖かい幸せで一杯だ。

作者からです→←◇

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