最強の妹 2【呪術廻戦】

漆 ページ31

貴方side

　領域を展開するのには大量の呪力が必要となる。腿の上でスヤスヤと寝息をたてながら寝ている姿はまだ幼さがある。

貴『俺を見てるか、ねぇ、...見てなかったら今頃仲良くないっつーの｡』

　初めて会った時からなんだか放っとけなくて、性格が大人びてるから自分は大人だと勘違いしてる。そんな恵をずっと見てきた。

　血はもちろん繋がってないけど、言うこと聞かない弟みたいで。事あるごとに気にかけていた。

　今だって無茶してボロボロになって、私が反転術式使えなかったらどうすんだよ。まったく。

貴『あ、そだ。寝てるから気付かれないだろうしスマホの履歴でも見てやろ〜っと、ついでにギャラリーも。A.Vとか調べてたりして...笑』

　恵のズボンのポケットに手を突っ込みスマホを取り出す。指紋認証を登録してるらしいから、適当な指を当ててロックを解除する。

貴『さぁ〜て、どんなエっチなこと調べてんのかなぁ〜？』

　結論、何もなかった。

貴『おもろな、コイツほんまおもろな｡』

　気を取り直してギャラリーを開く。

　そこには任務の資料の写真フォルダとか、動物の写真フォルダがあった。

　けれどその中に【important】と書かれたフォルダがあった。

貴『大切...？なんだろう...』

　アイコンをタッチして中の写真がズラリと画面に並んだ。その写真は全て、

貴『わ、...たし？』

　寝顔、怒った顔、笑った顔、ボーッとしてる顔、あくびしてる顔、エトセトラ。

　画面には私の写真しかなかった。

　そしてそのフォルダの名前は、【大切】。

貴『これっ、て...』

　突如、私の手からスマホが消えた。

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