最強の妹 2【呪術廻戦】

参 ページ26

貴方side

　あの後、八十八橋に向かってしばらく張り込んだりバンジーをしたりしたけれど残穢も気配も感じられなかった。これは中々に面倒臭そうだ。

　一度その場を離れ、コンビニで昼食を取ることにした。

　私はいくらおにぎりが食べたかったらいくらおにぎりを買った。もちろん兄さんのカードで。

貴『恵、そのサンドイッチ美味しそうだね。一口くれてもいいんだよ？てかくれ｡』
伏「横暴かよ。ったく...」

　なんやかんやでくれるとこ本当優しいよね恵は。

貴『あ、これ間接キスじゃん。初めて返せよ恵｡』
伏「しらねーよ。んなの言ったら俺だって...」

　...おい黙るなよ、なんか恥ずかしい...

虎「...ねえ、A、俺いくらおにぎり食べたい｡」

　気まずい雰囲気をぶち壊すように悠仁がズイッと顔を近づけてきた。瞬間、顔に血が集まった。

貴『えっ、いや、これ、カラシ入ってる...から、』
虎「いや、俺カラシいけるから、ねえ、いいじゃん、頂戴？」

　交流会の終わった後、恵からあの話を聞いてから悠仁の顔がマトモに見れなくなった。あと近づけなくなった。意識してしまうようになって。

　でも悠仁はいつもと変わらずに私に接してくる。

　いや、いつもと変わらずに、ではないかもしれない。
最近何だか悠仁が近い気がする。距離的に。

　共同スペースに座ってる時に隣に座ってきてスマホ覗いてくるし、休み時間には勉強教えてって言ってきて真横に来るし、ご飯食べてたら真正面に座ってきてなんかこっちめっちゃ見てくるし。

　え、自意識過剰なのかな。

虎「なぁ、A、ちょうだい？」
貴『ゎ、かった、から、...はい、』
虎「さんきゅ、...ん、んまい！ありがとな！」

　あ、やっぱ自意識過剰だったみたい。くそ、恵のせいだ。もしかしたら、嘘だったのかもしれない。うん、きっとそうだ。私を陥れようとしてるんだ。きっと、

　そうでなきゃ...そうと思わなきゃ、やってけない。

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