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   第四話 ページ15

火傷した儘の手を手袋を被せ、見えない様にする。
現在、ポートマフィア首領室にて。中原中也が出て来ない事を願い、早口で情報を伝える。

『____で、現在は_』

『ちょ、ちょっと待ってね。A、そんなに早口で如何したのだい?そんな早口だと、情報が入って来ないのだが……』

『どうどう……』と私を落ち着かせる様に、森首領は此方を見詰める。

『あ、申し訳御座いません。』

しまった、そう思いながら、資料に視線を戻す。

(中也の事、いっそ忘れて仕舞えば楽だろうに。)

なんて最低な考えが頭を横切った。

『で、ではもう一度、説明させて頂きます。』

早く帰りたい。中也に逢わないうちに。
声を落ち着かせ、再び、今度はゆっくりと情報を口で並べて云った。

*

『___今回は、ざっとこれ迄です。約1000万程度です。』

『了解だ。毎回、有難うね。』

『いえ。』

鞄を持ち上げ、帰る準備を済ませる。
なんとか中也に逢わないで済んだ。
一息漏らし、鞄を持ち直す。

『では、またいつか。連絡をくださる日まで。』

『嗚呼。又ね。』

回れ右をして、扉を閉めて、扉を閉めてからは猛走り。

諸突猛進だ。

取り敢えず、中也に逢わない事をねがう。

*

『おや、Aじゃあないか。久しいのう。 』

なんて、考えは吹っ飛んで。

現在、一番尊敬している人に声を掛けられました。

『____尾崎紅葉、姐さん……』

私の人生、オワタかも。

   第五話→←   第三話 願わない鼓動、知らない夢。



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設定タグ:文スト , 中原中也 , 江戸川乱歩   
作品ジャンル:恋愛
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のんこ(プロフ) - じゃあ今日塾で渡しとくね。 (2018年8月1日 17時) (レス) id: eb60c4dd1a (このIDを非表示/違反報告)
のんこ(プロフ) - ブラウン・レビット・Lさん» どこにですか? (2018年8月1日 17時) (レス) id: eb60c4dd1a (このIDを非表示/違反報告)
のんこ(プロフ) - うわあい!あともう少しで10000htやないですか!!頑張ってください!!! (2018年8月1日 15時) (レス) id: eb60c4dd1a (このIDを非表示/違反報告)
長月冬麻(プロフ) - すっごいドキドキします、色んな意味で。乱歩さんがいつになく可愛くて、中也さんが推しなんですけど、やっぱり乱歩さんも好きなので、夢主ちゃんに感情移入してしまって、苦しいです。婚約してる彼がいるのに一目惚れしてしまった、中也さんがどうなるか気になります。 (2018年8月1日 10時) (レス) id: 0ab6a974b3 (このIDを非表示/違反報告)
火炎龍音覇(プロフ) - ポーレンカさん» 指摘、ありがとうございます。色つきが多いのは本文と変えるためです。短いと感じるかもしれませんが、余り改行をしていないので、そう感じるかもしれません。改善は出来る箇所はさせて頂きます。 (2018年6月23日 22時) (レス) id: 7aec75057c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藤本凌&醤油_syouyu_ x他1人 | 作成日時:2018年4月30日 8時

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