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「ご馳走様でした!!!!」
そして、少年が全ての茶漬けを食べ終わった頃には、机の上の茶碗の数は物凄いことになっていた
『ふふっ、底なしの胃袋だね、敦くん。余程お腹が空いていたのだね』
「いやぁ、ここ数日何も食べてなくて……」
『それはいけないね。君は育ち盛りなのだから、しっかり食べないと』
数えて二十数杯
噂に聞くわんこそばまではいかずとも、彼程の胃袋があれば欧州や北米辺りで度々行われるフードファイトにも易々と勝残れそうだ
「では
『うむ。では、敦くん。我々はお暇しよう。
宿が無いのなら我らの家を貸すから、一緒に着いてきなさい』
「えっ、いや、大丈夫ですよ!ご飯奢ってもらったばかりに、今日の宿までご厄介になるなんて」
『あれだけの量の茶漬けを遠慮なくかきこんだ君に、今更そんな言葉が我々に通用するとは思わないことだね。
ここまで来たら、君の手取り足取り支援しようじゃないか』
「うっ」
確かに、とぐうの音も出ない少年は、頷かざるを得ない
今更だが、あの量の茶漬けは一体幾らに……と怖い想像をする
「お会計((ピーーーーー円です」
「ヒョエッ」
案の定、少年にとっては手の届かない金額である
やってしまった、と息を飲むが、当の2人は気にも留めていない
「カードでもよろしいですか?」
「はい!勿論です!」
そう言って執事が取り出したのは、あの全ての人類が一生で1度見るか見ないかよ代物。世にいうブラックカード。
クレジットカードの最高峰であり、ハイクオリティ・ハイグレードであり、持つ者を選ぶ伝説のカードであった
ウエイトレスの女性も驚愕している
勿論、敦なんて魂が飛び抜けていた
「
『うむ。やはり文明の利器は素晴らしい。我々のニッポンでの生活が、全てこのカードにかかっていると言っても過言ではないからな』
「えぇ。日々、このカードの有難みに感謝して参りましょう」
しかし目の前の2人は、散々金にものを言わせて生きてきたような姿とカードを持っているにも関わらず、まるで一般市民のような反応をするものだから、それはそれでも調子が狂う
驚きの間もなく決済を終え、店を後にしようとする2人に、そういえばとウエイトレスが声をかけた
「お客様。最近はこの辺りに人喰い虎が出るようですから、お気をつけてお帰りくださいね」
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ニコニコマーク! - ふぅ…敦くん?ちょーっとそこの位置代わってもらえないかな?代わらなくてもいいから取り敢えず敦くん達が座っている席の近くの壁になりたい…今すぐ二次元に行きたい… (2022年12月6日 6時) (レス) @page43 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコマーク! - すみません…今思ったんですけど、坂口安吾の異能力が『堕落論』だった気が… (2022年12月5日 17時) (レス) @page4 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - 攻め…?攻め⁉︎攻めと言いましたか作者様。マジでございますか?スゥーーーーーー、フゥーーーーーーーーーー、控えめに言って神ですか。神でしたね!そうでした!無理のない程度に頑張って下さいね! (2022年11月17日 16時) (レス) @page48 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ - こんにちわ 好きです。 かっこよすぎません?????強い女性好きです。神に出会ってしまいました!!! 更新待っています が無理はしないように頑張ってください!!!!! 楽しみです! (2022年11月16日 18時) (レス) @page47 id: 7f6eba9c4e (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - スゥーーーーーーーー…好きです。なんですか、神ですか。神でしたね‼︎無理無理夢主様カッコいい…そして遂にポートマフィアに接触しそ〜!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!更新待ってます!頑張って下さい! (2022年11月16日 16時) (レス) @page47 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
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