・8 ページ46
港で起こった殺人事件は、武装探偵社から派遣された2人の社員によって、迅速に進められていった
『ふむ。彼はきっと『人喰い虎』に関する有力な情報を所持していたが故に、それを独占をしたがる誰かに殺されたのだろうね。彼の仕事柄、そういうのと付き合うのは常であるし、今回はいつも避けていた危険を避けれなかったようだ。』
「ということは、今回の殺人事件は裏社会に通ずる者の仕業、ということですか」
『うむ。殺害したのは暗殺集団だ。最近生きり始めている若人達だな。本来ならば、未来を担う若者の翼をもいでしまうのは本心ではないが、彼らには捕まって貰うしかない。これ以上、罪を重ねぬ為にも。
ベディヴィエール、警察の方々に探偵社が掴んでいる裏組織のリストを差し上げなさい。その中のどれかが犯人だが、この際リストの全てを網羅するのも良いだろう』
「かしこまりました、
「か、重ね重ね感謝致します……！」
刑事の1人が、執事から手渡されたリストを見て歓声を上げている。まさか、探偵社がこんなリストを隠し持っていたとは思わなかったのだろう。これで多くの警察関係者が咽び泣くのが目に見えた
『では、我々はこれで。一刻も早く、彼を火葬して差し上げるように。』
「はいっ！ありがとうございました！！」
そうして、彼女と執事は多くの警察関係者から声援を贈られて、その場を去る
彼女はにこやかに手を振り、執事は微笑みを浮かべて会釈をして背を向けた。
そしてかの高級車の後部座席のドアを開けて彼女の乗車を助けた後、執事も運転席に乗り込んでその場を後にした
記念すべき初仕事を終えた後であるが、車内の空気は殺伐としていた
『…………宣戦布告か、それとも罠か。』
「……申し訳ありません。私の情報統制が甘かったようです」
『いや、構わない。…………北米の成金も欲深いものだ。愛し子だけでなく、私達までも手に入れようとは。』
伯爵は顔を顰めながら息を吐く。
執事も苦行に満ちた声音と表情で謝罪をするが、伯爵はそれを許す。
今回の殺人事件は『人喰い虎』に関わることでは無い。
全て、この伯爵に関わることであった。
あの情報屋は、伯爵がヨコハマに持つ情報網の一端を担っていた者。
そして殺されたのはあの倉庫の前ではなく、恐らく違う場所。何故なら、現場は思ったほど血の海ではなかったからだ。違う場所で殺されて、その後あの倉庫の前に移動させた。『人喰い虎』と関連付けさせる為に。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ニコニコマーク！ - ふぅ…敦くん？ちょーっとそこの位置代わってもらえないかな？代わらなくてもいいから取り敢えず敦くん達が座っている席の近くの壁になりたい…今すぐ二次元に行きたい… (2022年12月6日 6時) (
レス) @page43 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコマーク！ - すみません…今思ったんですけど、坂口安吾の異能力が『堕落論』だった気が… (2022年12月5日 17時) (レス) @page4 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - 攻め…？攻め⁉︎攻めと言いましたか作者様。マジでございますか？ｽｩーーーーーー、ﾌｩーーーーーーーーーー、控えめに言って神ですか。神でしたね！そうでした！無理のない程度に頑張って下さいね！ (2022年11月17日 16時) (レス) @page48 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ - こんにちわ 好きです。 かっこよすぎません?????強い女性好きです。神に出会ってしまいました!!! 更新待っています が無理はしないように頑張ってください!!!!! 楽しみです! (2022年11月16日 18時) (レス) @page47 id: 7f6eba9c4e (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - ｽｩーーーーーーーー…好きです。なんですか、神ですか。神でしたね‼︎無理無理夢主様カッコいい…そして遂にポートマフィアに接触しそ〜！あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！！更新待ってます！頑張って下さい！ (2022年11月16日 16時) (レス) @page47 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
