【文スト】噂の最強異能力者は華麗にヨコハマを闊歩する

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『そうそう！それよりも諸君、私等より、このベディヴィエールの新たなる装いを賞賛してくれ給え。執事服以外の装いというのも中々に新鮮で、このベディヴィエールの美しさが更に極まっているとは思わないかい？』


「伯爵(アール)……！その辺でお許しを！！ただ私は伯爵(アール)に合わせただけで……！」


「まぁ！！お兄さまには負けますけれど、なんて美しい装いなのでしょう！！これは執事様のセレクトですの？是非とも、そのファッションセンスをご教授頂きたいですわ！！」


「な、ナオミさんまで……どうかもうご勘弁を……」



そう、彼女の美貌にいつも隠れてしまっているが、この執事の新たなる装いもまた、良い意味で人々を惹き付けるものであった


質の良い白シャツの上に灰色のニットベスト被り、その上にネイビーのジャケットを羽織り、パンツは黒のクリースラインのスラックスと、足元は足先が丸い革靴を履いた、世に言うビジネスカジュアルに纏めている
そして首元には銀色に磨かれ、正方形の飾り細工がぶら下がったネックレスをつけ、左腕には質の良いクラシック風の腕時計がはめられており、右肩には革製のお洒落なショルダーバッグをかけ、ポニーテールに纏められていた髪は緩い一つ縛りとなって右肩に流され、いつもの堅苦しさが抜けて一気に上品なカジュアル風に仕立て揚げられたのだ



『元々、我々2人は萬に秀でている質だが、その中でもこのベディヴィエールの服装のセンスは目を見張るものがある。本人は、いつも変わり映えのしない執事服を着続けているが、あらゆる場に溶け込むため、洋服のバリエーションや極めているジャンルも多々あるのだよ。私も、コーディネートに関しては、このベディヴィエールに全ての信頼を置いている。皆、このベディヴィエール共々、あらゆる面でこき使ってくれて構わないよ』


「お任せ下さい、探偵社の皆様。不肖トマス・マロリー………いえ、ベディヴィエール。誠心誠意、お役に立たてるよう、努力して参ります」



そう言って、彼女は手を挙げて堂々と宣誓し、その横で恭しく頭を下げる執事


今も尚世界を股に掛ける異能力者2人が、未だここにいることに慣れない国木田と谷崎は遠くの空を見上げるが如く、これからの未来を憂いて天を仰ぐ



市の指定猛獣、万能の誉れ高い宰相、その秀逸たる右腕


さて、探偵社の受難は始まったばかりである


ーー

執事の仕事服を考えるのにかなり時間がかかってしまった

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