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「Aさん、知ってたんですか?!」
『そうとも。太宰くんが提案して、私が協力した。ベディヴィエールは後付けで知ったが、まぁ要するに、君以外は全員この展開を知っていた、ということになるね』
「はぁ?!」
信頼していた身内までグルだった、と知った敦の心情は容易に想像できよう。暫くは誰も信用出来ないレベルである。下手をすれば、これからヨコハマに訪れる暴虐の限りは、誰かがヤラセでやっているのではと疑ってしまうかもしれない
「そこの太宰めが、有能なる若者がいると言う故、その魂の真贋、確かめさせて貰った」
「いやね、君を社員に推薦したのだけれど、如何せん君は区の災害指定猛獣だ。保護すべきか否か、社内で揉めてね」
「だが太宰が言ったのだ」
ーー
「社長、もしここに、世界一強い異能力者が居たら、雇いますか?」
「その事が探偵社員となる根拠にはなり得ない」
「……だから私は彼を推すんです」
ーー
頭の悪い敦には、その言葉の真意が分からない
けれど分かるのは、この探偵社は、例えどれだけ強くても、どれだけ凶悪でも、それだけで人を雇う軽い組織ではないのだと
「……それで社長。どうします?どのようなご判断を?」
周りの人間が息を飲んで彼を見つめる
「………太宰に一任する」
「お任せ下さい」
そう告げて、福沢は去っていった
残された面々の中で、敦は一人慌て出す
「ちょ、ちょっと待ってください太宰さん!それじゃ、僕に紹介する仕事って……」
「………ふふっ、合格だそうだよ?
武装探偵社にようこそ。中島敦くん」
「おめでとうございます♡」
「お役に立てて良かったです……」
「いやいやいや!!!」
未だ納得できない、といったように敦は声を上げる
「こんな無茶で物騒な職場、僕には無理ですよ!!!」
「皆を助けるために爆弾に覆い被さるなんて、なかなかできることじゃない」
『おや、なかなかやるじゃないか敦くん。けれど、心意気は兎も角、やり方は感心しないな。落ち着いたら、ベディヴィエールの特別講義を履修するように』
「ビシバシいきますよ、敦くん」
「えぇ………」
居ない。味方がいない。
『まぁ、ここを出るというのなら、私の紹介で単身欧州だね。欧州に君の指名手配は回っていないし、かと言って言葉が通じない異国で、ここよりももーっと物騒な土地で、1人でやって行けるのかな?敦くん?』
「ぬぁっ?!」
「じゃ、そういうことで!!!」
「そんなぁ………!」
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ニコニコマーク! - ふぅ…敦くん?ちょーっとそこの位置代わってもらえないかな?代わらなくてもいいから取り敢えず敦くん達が座っている席の近くの壁になりたい…今すぐ二次元に行きたい… (2022年12月6日 6時) (レス) @page43 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコマーク! - すみません…今思ったんですけど、坂口安吾の異能力が『堕落論』だった気が… (2022年12月5日 17時) (レス) @page4 id: 23150a6704 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - 攻め…?攻め⁉︎攻めと言いましたか作者様。マジでございますか?スゥーーーーーー、フゥーーーーーーーーーー、控えめに言って神ですか。神でしたね!そうでした!無理のない程度に頑張って下さいね! (2022年11月17日 16時) (レス) @page48 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ - こんにちわ 好きです。 かっこよすぎません?????強い女性好きです。神に出会ってしまいました!!! 更新待っています が無理はしないように頑張ってください!!!!! 楽しみです! (2022年11月16日 18時) (レス) @page47 id: 7f6eba9c4e (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - スゥーーーーーーーー…好きです。なんですか、神ですか。神でしたね‼︎無理無理夢主様カッコいい…そして遂にポートマフィアに接触しそ〜!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!更新待ってます!頑張って下さい! (2022年11月16日 16時) (レス) @page47 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
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